See What A Fool I've Been - Queen 和訳
「シー・ホワット・ア・フール・アイヴ・ビーン」は、ブラインアン・メイが、クイーンの前身バンド、スマイルに在籍している頃に書いた曲ですが、実は、元になった曲がありました。
しかし、肝心の元になった曲名がずっと分からなかったらしく、メイ氏や、スマイルのボーカルであるティム・スタッフェルの中で、長い間の「謎」となっていました。
やっと、2001年6月のブライアン・メイのオフィシャルサイトにおいて、ティム・スタッフェルいわく、Sonny Terryソニー・テリーとBrownie McGheeブラウニー・マギーの ”The Way I Feel” が元になったと公表しております。
2001年8月の記事によると、メイ氏は
「ずっと元の曲がなんだったのか分からなかった。
僕たちは、お金を払いたいから、誰の曲かを知りたかった」
とあります。
律儀にも、権利をお気になさっていたのですね。
※この部分、ねこあるきはサイトを拝読しながら書いておりますが、勝手に引用する訳にはいきませんので、詳しくは、オフィシャルサイトをご参照ください。
サイト内の検索ワードは「Sonny Terry」で、2001年6月と8月の記事です。
では、「謎」と言われた元曲、ソニー・テリーとブラウニー・マギーの「The Way I Feel」を、ご参考までにお聴きください。
▼確かにそっくりです。
VIDEO
この問題の所為でしょうか?関係性は不明ですが、「シー・ホワット・ア・フール・アイヴ・ビーン」は、1974年のレコードには収録されていて、ライヴではしょっちゅう演奏されたのに、クイーンⅡの通常版CDに収録されていません。
ようやく、クイーンⅡのリマスター版で、デラックスエディションのボーナスEPとして入っています。
これからクイーンⅡのご購入をお考えの方は、ご注意を。
★ ★ ★
前置きが長くなりましたが、さて、本題です。
ブルースにのせてフレディが妖しく、女性ボーカルのように艶やかに歌います。
あまりにも妖艶なので、不覚にもドキッとしてしまいます。
歌詞に「little dog 小さい犬」と出て来ます。
おそらく「Puppy 子犬」のことだ、と解釈しました。
ちなみに「Puppy」は男性に対して呼びかけるときに使います。
イメージ的には無邪気で、あどけない顔をした男性です。
途中で「sailor boy 水兵の少年」と呼び掛けていますから、まだ年派の行かない水兵の男の子でしょうか。
しかし、「she's gone 彼女は出て行った」から始まるので、ねこあるきは、男性からの視点と、女性の視点が混在しているものと解釈しました。
少年水夫と、年上のお姉さんの恋物語、という解釈です。
実は、この「シー・ホワット・ア・フール・アイヴ・ビーン」は、2つの歌詞があって、ひとつは1974年「輝ける七つの海」のB面に収録された「Bサイドバージョン」と、もうひとつはBBCで演奏された「BBCバージョン」があります。
ずっと気になっておりましたので、2つとも和訳しました。
まずは、通常の「Bサイドバージョンです」
▼2011年リマスターの、Bサイドバージョン。クイーンオフィシャルの音源です。
VIDEO
See What A Fool I've Been (B-side ver.)
和訳
(男性視点から)
Well, she's gone dear
あのひとは行っちまったんだ
Gone this morning, mmh yeah
今朝方にね、いやぁ
Ow, see what a fool I've been
このバカを見てくれよ
- oh Lord, cootchie coo
ああ神様 (かわいちょうね、よちよち)
What a fool I've been
なんてバカ野郎だ
Yes, I dig it
そうさ、僕ぁやらかしたのさ
Too much
参ったよ
Didn't leave me-me no letter,
書置きひとつも残さず
didn't leave no warning
前ぶれだって無かったんだ
You naughty thing, you
どうせ単なるイタズラだって?
違うよ
Ooh - well I guess I am to blame oh lord
多分だけど、僕が悪かったんだよ
マジで
I guess I'm all to blame -
全部、僕が悪かった
(女性視点)
see you later, sailor boy
じゃあまたね、水兵くん
Child, right now you take it
ぼうや、今はこらえてね
Hope my little dog ain’t too hungry
あたしのいい子が、ひどくお腹をすかせてないと良いんだけど
No, no, he just kept on barking,
ダメダメ、どうせ今のあいつは正気じゃないわ
きっとわめいてるのよ
the vicious thing
危ない、危ない
Just don't seem the same
いつも通りじゃダメなのよ
oh no no
もう、イヤになる
It just,
そりゃあね
oh tantrums,
カッとして
黙って出て来ちゃったけど
it don't feel the same
同じことの繰り返しはもうたくさん
Ooh, see you later
じゃあバイバイ
Now hit it, like that
さて、行くとするか
Coming on strong
たくましくなって、出直しておいで
(男性視点)
Oh, well
どうなってんだ
I got so lonely
僕ぁ独りぼっちだ
Went and told my neighbour
お隣さん所に行って、今までの事を愚痴ったんだ
She said "Ah ooh ooh ooh ooh"
そしたら彼女は言ったんだ
「あらあら、まあ、まあ」
Oh Lord
ああ、神様
What a fool I've been
このバカ面を見てやってくれ
And she told what to do
She said
彼女、ピシリと言ったんだ
"Go home"
「帰って」
Well she's gone -
そうさ、あのひとは出て行っちまった
gone this morning
今日の朝早く、僕の寝てる間に
See what a fool I've been, oh lord
僕はとんだお笑いものだよ
マジかぁ
What a... foo-oo-oo-oo-oo-oo-ool... I've been
僕は、なんっっってバカ野郎なんだ
以上です。
「僕が悪かった」と言えば、同じブライアン・メイの「イッツ・レイト 」にもありますね。
そういう経験がたくさんお有りなのかと、下衆な勘繰りをしてしまいます。
歌詞の「coochie-coo クーチー・クー」は、赤ちゃんをあやすとき、くすぐって笑わせるときに言う言葉です。
日本語で言うなら「こちょこちょ」ですが、「おお、よしよし」とか、「いい子、いい子」の意味も含まれるので、合いの手として和訳しました。
では、続いてBBCバージョンです。
おそらく、出て行った女性の視点がメインになっているのだと思います。
ちょっと、聴いてみましょう。本当に歌詞が異なります。
▼See What A Fool I've Been (BBC Session)
VIDEO
See What A Fool I've Been (BBC Session)
和訳
(男性視点)
Well she's gone
あいつ、出て行ったんだ
Gone this morning
今朝早く
See what a fool I've been
この俺のマヌケ面を見てくれよ
Oh Lord, I said
そうさ
What a fool I've been
俺がバカだったんだ
Wow
(女性視点)
I caught a train
汽車に飛び乗ったの
A train to Georgia
ジョージア行きの汽車に
Sixteen coaches long
16両編成の汽車なのよ
Oh Lord, I said
そうよ
Sixteen coaches long, yeah
客車と貨物車がつながった、長い汽車に乗ったのよ
Wow
I walked out
あたしはいきなり飛び出して
Onto the highway
ハイウェイを、ただ歩いた
Oooh, ow, ow, ow, ow
足音だけが聴こえて
Oh Lord, I said
ああ、どうしてこうなったの
Greyhound bus had gone
グレーハウンドのバスが通り過ぎたわ
Wow, surprise to me
ねえ、あんた
突然現れて、あたしをびっくりさせて
Now hit
じゃないと、本気で出て行くわ
Woooh
I walked out
もう、お仕舞いね
Onto the highway
長いハイウェイの道を独りで歩く
Greyhound bus had gone
グレーハウンドのバスがあたしを追い抜いた
Oh Lord, I said
ああ神様、そうよ
Greyhound bus had gone
グレーハウンドの長距離バスが、
音を立てて遠ざかって行くのを見送った
It went a long time ago,
ずいぶん長い事歩いたわ
sure did
ここはどこかしら
Wow
(男性視点)
Oh, well she's gone
あー、あいつ行っちまったよ
Gone this morning
つい今朝方にね
See what a fool I've been
俺がバカだったのさ
So long
これで終わりなのか
I said
そうさ
what a fo-oo-oo-oo-oo-oo-oool I've been,
俺は本っっ当の、バカ野郎だ
ooh
Ah
以上です。
歌詞のグレーハウンドのバスとは、グレーハウンド社の長距離バスのことのようです。
▼ご参考までに。
男性は、ぼんやり嘆いていないで、女性を追いかける気概を見せてくださいよ。
女性も、追いかけてくれるのを期待しない方が良いですよ。
お互い、黙っていても伝わるというのは幻想です。
思うよりも人間は器用ではなかったりします。
と、老婆心ながら思いを馳せる、ねこあるきでした。
おまけ
そんなわけで、おまけです。
この曲は、ライブの定番だと言われている割に、映像が全然ありません。
なんてこった。
仕方なく、音源だけを掲載します。
▼クイーン公式から、1974年3月、レインボー座です。
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▼同じく公式から、1975年ハマースミス・オデオン座です。
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▼1975年5月1日、東京公演です。
「ありがとう、東京!」とフレディのMCが入っています。
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さすが、定番だけあってブートレグ音源ならYouTubeで探すと、いろんなステージで演奏されているのが見つかります。
個人的には、東京公演のがやっぱり好きです。