ミリオネア・ワルツは1976年、「華麗なるレース」の4曲目。 ちなみに、このアルバムのタイトルはマルクス兄弟の映画から取ったものです。 ▼映画「マルクス一番乗り」"A DAY AT THE RACES" 前作の「オペラ座の夜」も同様です。 シュトラウスのように荘厳華麗な、重奏とコーラス。 フレディの世界を心行くまで堪能できます。 ▼オフィシャルのミリオネア・ワルツ
"The Millionaire Waltz" 和訳 Bring out the charge of the love brigade 恋のさざめきに心をくすぐられ There is spring in the air once again あまつさえ、春の陽気が漂い満ちる Drink to the sound of the song parade 華やかな楽団のパレードに祝杯を挙げ There is music and love everywhere 音楽にのせて、そこかしこに愛の言葉が交わされる Give a little love to me (I want it) 僕に愛を少し(どうか与えて) Take a little love from me 僕の愛をささやかに I wanna share it with you あなたと分かち合えたなら I feel like a millionaire この世の全てを手にした心地さ Once we were mad, we were happy かつては熱情に身を任せ、幸せをかみ締め We spent all our days holding hands together 手を取り合い、ともに重ねた日々を Do you remember, my love? 憶えている?愛しい人 How we danced and played in the rain we laid 戯れに舞い踊り、雨に体を合わせ How we wish that we could stay there, forever and ever このまま時が止まればと、どれほど願った事だろうか Now I am sad, you are so far away 今の僕は悲しみに暮れ、君はいずこへ I sit counting the hours day by day 力なく座し、いたずらに日をやり過ごしている Come back to me, how I long for your love 戻ってきて いかに僕が君の愛を渇望しているか Come back to me, be happy like we used to be 帰ってきて あの日のように笑っていよう Come back, come back to me 戻ってきて、僕の元へ Come back, come back to me 帰ってきて、弾けるような日々に Come back to me, oh my love ここへ戻れ!すぐに How I long for your love 引き裂かれるこの痛みが分からないのか Won't you come back to me, yeah どうして戻らないんだ My fine friend 心ある方よ - take me with you and love me forever 僕を連れ出して、永遠の愛を与えて My fine friend どうか麗しきお方よ - forever - forever... そのまま傍へ置いて、命尽き果てても Bring out the charge of the love brigade 愛と恋のさざめきに、はやる気持ちも浮き立って There is spring in the air once again 花誘う風さえも、春の香りに満たされる Drink to the sound of the song parade 賑やかな楽隊を背景に、美酒を酌み交わし There is music and love everywhere 音の饗宴があふれ、誰もが愛を語らう Give a little love to me (I want it) 愛を僕に少し(求めて) Take a little love from me 僕の愛をあなたにも I wanna share it with you 心を交わせたなら Come back, come back to me もう一度、あの頃へ You make me feel like a millionaire 君さえいれば 億万長者のような夢心地さ 以上です。 ▼2011年デジタルリマスター版の音源と、映像を組み合わせた字幕動画です。足りない部分はイメージ映像を入れています。
1974年末から、1975年にかけて書かれた(と思われる)、クイーンのメンバー4人が書いた、ファン宛の直筆手紙を和訳しました。 意訳が多いねこあるきの癖に、わりと直訳に近い和訳です。 ちなみにこの手紙は、以前、ドント・ストップ・ミー・ナウの和訳ページで画像のみ紹介したものです。 では早速、フレディ・マーキュリーから。 Hello Dears, やあ、親愛なる君たち。 Thanks for giving us a No.1 this year, 今年、僕たちをチャート1位にしてくれてありがとう。 we all really appreciate it -. 本当に心から感謝しているよ― Hope you enjoyed our live performances as which as we did -. 僕たちがどこで演奏したライヴであっても、 君に楽しんでもらえたなら良いな― We shall be taking the same show to America and Japan early in the New Year, 年明け早々に、僕たちはアメリカと日本で同じ演奏をするんだよ。 but will be back before you have time to miss us. でも、君が寂しい思いをする前には戻ってくるからね。 Meanwhile have an outrageous Christmas and a naughty New Year -. とりあえず、悪意あるクリスマスと、いじわるな新年を迎えないと― Love & Kisses to all you 愛とたくさんのキスを君に darlings - 大好きなひと― Freddie フレディ 以上です。 まるでラブレターですね。 二人の時間を裂くものは、クリスマスも新年も「いじわる」になってしまう。 フレディらしい表現です。 次は、ロジャー・テイラー。 Hello Everybody , よぉ、みんな。 This is Roger writing this time and I'm going to try and give you a good idea of what we have been,owe, and will be doing, as its definitely time to spill the Heinz to you all. この手紙は、こちらロジャーが書いていて、 今回、俺は君に今まで色々やってきた中で 思いついた良いアイディアを伝えるのと、 義務でもあるし、 これからどうするかを全部ぶちまける絶好の機会だ。 Well believe it or not we haven't had a moment of inactivity since we last played in England, 信じられないかもしれないが、 最後にイギリスで演奏してから今日まで 俺らが手を休めたヒマは少しも無い。 although not all of what's been happening in the recent past has been what we enjoy most. そうとは言え、俺らがここ最近一番楽しかった出来事は この限りではない。 To cut it short we now have a new manager 'John Reid', who we all get on with really well. まあ簡単に言うと、新しいマネージャーの”ジョン・リード”が来て おかげで、本当にうまく軌道に乗ったことだ。 He also looks after Elton John so he's well qualified for the job. しかも彼は、エルトン・ジョンの世話役を勤めていて、 つまり、仕事を果たすに充分な資質を持っているわけさ。 Changing management etc. was a long boring business and I won't rabbit on too long about it, あとは、経営者が変わったりとか、いろいろだ。 長ったらしい仕事の話はつまんないから、 これ以上だらだら話を続ける気はない。 but it did slow us down a bit in recording the next album and touring again. だけど、そのせいで次のアルバムのレコーディングとか、 またツアーに出るのが少し遅れたんだ。 However as many of you might know we're bin' working our knees off, それでも、君も良く分かってくれるだろうが 俺たちは自分で努力して、ちょっとずつ溜まったものを片付けている。 and should have the new album "A Night At the Opera" out by mid November. で、新しいアルバム「オペラ座の夜」は 11月の中旬には出るようにしないと。 We're in the stadios right now working like crazy to finish it, so far it's sounding F.A.B. 俺らは、今ちょうどスタジオ入りして、 狂ったように作業して完成させようとしている。 今の所、鳴り響く組み立て工場だ。 in fact better than anything so far! 実際、今までより断トツに良い! I just hope you all like it. 君が気に入ってくれれば、言うことナシ。 The thing we're all looking forward to most is touring in Britain again in November and December. 俺らが一番楽しみしているのは、 11月と12月にイギリスでツアーをやる事。 Hopefully we'll get to see a lot of you somewhere between Dundee and Bristol !? ダンディーからブリストルにかけて たくさん君に会えますように!? O.K. then brother and sisters. オーケー、じゃあ兄ちゃん、姉ちゃんたち。 Enjoy Yourselves above all. 何はともあれ、楽しんで。 Roger Taylor ロジャー・テイラー 以上です。 口語的表現と言いますか、独特な言い回しが多いです。 【出てきた言葉の説明】 ジョン・リード: 1975年から1978年にクイーンのマネージャーになった人。 エルトン・ジョンの元マネージャー兼恋人。 ダンディー: スコットランドの都市名 次はブライアン・メイ。
Log Pat'n'Sue
Jan 18th '75
パットとスー 記録
1975年1月18日
Dear Queenie Appreciators..... 親愛なるクイーニィ すべての鑑賞者へ I'm really glad to have this chance to write to you in this issue. 僕はこの発行に寄せて筆を執る機会を得たことを、 非常に嬉しく思っている。 I've just been reading some of the great letters you've written to us 君が僕たちに書いてくれた素晴らしい手紙を幾つか たった今、読んでいたところだ。 (we _do_ read 'em, you know !) (当然、僕たちはちゃんと読んでいるよ!) and it makes me a little sad that we can't write personally to each one それで、一人ひとりへ個人的に返事が書けないことを 少し悲しく思っていたんだ。 - if we did we'd have no time to make any more music and you would'nt be writing to us then ! ―もし僕たちがそれをやったなら、 これ以上音楽を作る時間が無くなって、 そうしたら、もう君から手紙が来ることは無くなってしまう! So we're very grateful to Pat'n'Sue who help us very much in touch with you. だから、僕たちが君とふれあえるように助力してくれた パットとスーを非常にありがたく思っている。 'Cos _you're_ what it's all about. なぜなら、君が僕たちのすべてだからね。 At the moment we're working every day and most nights on our film of the Rainbow Concert, mixing and editing to a Suitable form for the " Whistle Test" and such like - 今のところ、レインボー・シアターのコンサートで撮影したフィルムをミキシングや編集して、ほとんどの夜と昼間は休みなく働いているよ。 「ホイッスル・テスト」や他の番組でも流せるようにしているんだ― so you'll be able to see us while we're away in the U.S.A. and Japan these coming 5 months. だから、来るべき5か月間、アメリカと日本へ行っている間も 僕たちと会うことが出来るよ。 We'll be thinking of you - and we 'll be back !.... so Keep yourselves alive (and Rockin' !) いつも君のことを想っている― 僕たちは戻ってくるから!… そして「キープ・ユアセルフ・アライブ」(それとロック!) Love 愛をこめて Brian ブライアン 以上です。 文字の解読の方に時間を費やしました。 【出てきた言葉の説明】 クイーニィ: クイーンのファンの名称。 ホイッスル・テスト: 正式名"The Old Grey Whistle Test"英国のテレビ音楽番組。 1971年から1988年までBBC2に放映されました。 「パットとスー」は、1974年にクイーンの公式ファンクラブを立ち上げた、ジョンストン姉妹のことです。 ▼パットとスー姉妹。 最後はジョン・ディーコン。 Hello Everybody やあ、みんな。 This is your friendly bass player here! 君と仲良しのベース弾きだよ! We seem to have been away for ages so I hope you haven't forgotten us ! ずいぶんと長いこと会っていないような気がするから、 僕たちのことを忘れてしまっていないと良いな! We saw the whole of America this time from New York to Los Angeles which was quite an experience. 今回、僕たちはニューヨークからロサンゼルスまで、 アメリカ全土を見て回ったけど、すごい経験になったよ。 It was a shame we missed a few gigs but Freddie's voice managed the rest of the American tour o.k. and after our rest in Hawaii, he was in great form in Japan. 残念なことに、いくつか出来ないギグがあったけれど、 残りのアメリカツアーでの、 フレディの声の調整になったから良しとして、 その後はハワイで休養したんだ。 彼は日本で絶好調だった。 We had all been looking forward to going to Japan for a long while, 僕たちは長らく日本行きを楽しみにしていたんだ。 but we never expected such a great welcome. だけど、あんなに素晴らしい歓待を受けるなんて、予想できなかったよ。 We were all knocked out by the warmth and friendship of the Japanese people and fascinated by their lifestyle. 僕たちはすっかり日本の人々の暖かさと友情にノックアウトされて、 彼らのライフスタイルへ惹き付けられてしまった。 Three of the pictures in this Newsletter were taken in Japan. この会報に、日本で撮った3枚の写真を添えるね。 One is of us taking part in an ancient Japanese Tea Ceremony where we were served by four beautiful Japanese girls in kimonos. 1枚は、古典的な日本のお茶会で撮ったもので、 着物を着た美しい日本の少女たちが給仕してくれた写真。 Freddie wasn't as bored as he looks, フレディは見た目ほど退屈していたわけじゃないけど、 but Roger,Brian and I did learn to hold the cups Japanese style! ロジャーとブライン、それと僕は日本式の茶碗の持ち方を覚えたよ! The other two were taken when Freddie and I visited Nagoya Castle, 他2枚の写真は、フレディと僕で名古屋城へ行ったときに撮ったんだ。 where we met some very inquisitive Japanese schoolchildlren. そこで出会った日本の小学生たちは、すごく知りたがりだったな。 In the shot with the castle, you may just be able to see Freddie and I in the background as the children couldn't wait to get in on our Photos!! そのお城のショットで、 子どもたちは写真を撮るまで待てなかったみたいだけど、 僕とフレディの後ろ側に映っているのが見られるよ。 Anyway it's great to be back home after three months. さて、素晴らしいことに三か月後にはまたこっちに戻ってくる。 We'll soon be working on our next album, すぐ次のアルバム制作にとりかかるよ。 which I'm sure you're looked forward to, きっと君の期待に応える仕上がりになること間違いなし、 so I hope it doesn't take too long!! だから、あまり時間がかかり過ぎないようにしないと!! Cheers for now じゃあ、またね John ジョン 以上です。 日本での出来事が書いてあるので、いくつか画像を載せておきます。 名古屋城での観光とお茶会です。 ▼何を食べてるの? ▼左下に小学生たちが来ました。 ▼フレディさん、その持ち方は茶碗を落としそうでハラハラします。 文は人なり、それぞれ4人の個性が出ていて良いですね。 拝読しまして感慨深いです。 おまけ 音楽雑誌「ミュージック・ライフ」に、フレディが片仮名で書いた直筆サインがあったので、フレディだけ日本語の手紙にしました。