The Show Must Go On - Queen 和訳
「ショー・マスト・ゴー・オン」は直訳すると「ショウは続けなければならない」ですが、実は慣用句で、一度始めてしまったら、何があっても中止できないときに使う言葉です。
わりと砕けた場面で使うなら、「まだ終わってないよ」と訳せます。
あるいは、この曲の様に「絶対に、後には引けない正念場」とも言いましょうか、「何があっても止めることはできない」と訳すと、「the show must go on ショー・マスト・ゴー・オン」の慣用句から、重大な決意をうかがい知ることができます。
そして、病床の身で死期が迫るフレディは「何があっても止めることはできない」と、このキーの高いショー・マスト・ゴー・オンを完璧に歌いあげます。
フレディの曲に込めた気持ちたるや、壮絶なものが伝わって来ます。
▼オフィシャルの「ショー・マスト・ゴー・オン」PVは、フレディの体調不良により、過去の映像をつなぎ合わせたものになっています。
"The Show Must Go On" 和訳
Empty spaces - what are we living for
虚無の世界。- 人は何のために生きるのか。
Abandoned places - I guess we know the score
抛棄の地。- その実、カラクリを分かっているのだろう。
On and on, does anybody know what we are looking for
ひたすら繰り返される、
誰しもが何かを探し、求め彷徨う。
Another hero, another mindless crime
時の英雄は、ある時では非情な犯罪者として扱われ、
Behind the curtain, in the pantomime
秘密裏に、繰り広げられる無言劇。
人知を超えた黒幕は、暗黙の下、粛々と事を進める。
Hold the line, does anybody want to take it anymore
それでも、歩みを止めてはならない。
続けよう、さらなる探求を。
たとえ得るものが僅かであっても、無ではないのだから。
The show must go on,
幕は開けられたんだ。
The show must go on
どうしてここで辞められよう。
Inside my heart is breaking
胸の内で、失意のどん底にあっても
My make-up may be flaking
飾り立てた仮面が剥がれ、無様な素顔があらわになっても
But my smile still stays on.
僕は舞台の上で、微笑みを続けよう。
Whatever happens, I'll leave it all to chance
何が起ころうと、すべては天の定めに従おう。
Another heartache, another failed romance
時に傷つき、恋敗れ、どんな試練が待ち受けても。
On and on, does anybody know what we are living for?
歴史は繰り返す。
それでも人は何に抗い、なぜ抗い続けるのだろうか。
I guess I'm learning, I must be warmer now
僕もきっと前に進んでいる。
手にしたものが、あるはずだから。
今ここで燃え尽きるわけにはいかないんだ。
I'll soon be turning, round the corner now
そう遠くない未来、僕は峠を迎えるだろう。
だけど、今はまだ折り返し地点なんだ。
Outside the dawn is breaking
窓の外では、暁星が瞬き、輝かしい夜明けが訪れても、
But inside in the dark I'm aching to be free
僕は、明けない暗闇の中、呪縛から逃れようと足掻き続ける。
The show must go on
舞台に立ち続けるんだ。
The show must go on
何が僕を止められよう。
Inside my heart is breaking
心臓が、時を刻むのを止めたとして
My make-up may be flaking
衆前に、あられもない姿を曝そうとも
But my smile still stays on
僕は心からの笑顔を、皆に送ろう。
My soul is painted like the wings of butterflies
僕の魂は、揚羽蝶のように七色に彩られて。
Fairy tales of yesterday will grow but never die
去りし日はやがて伝説となり、決して色褪せることはない。
I can fly - my friends
今こそ、羽ばたいて見せよう。
君がかつて見上げた様に、僕は高く舞い上がる。
The show must go on
さあ、続けよう。
The show must go on
幕引きなど無い。
I'll face it with a grin
顔をほころばせ、最高の笑顔を浮かべ、
I'm never giving in
手出しはさせない、何物にも屈しない。
On with the show.
僕という名の演目は。
I'll top the bill,
主役は僕だ。
I'll overkill
体裁をかなぐり捨て、
I have to find the will to carry on
演じ続けることで、僕という存在の意味があると
分かりかけてきているんだ。
(On with the show)
show -
続けよう、スポットライトを僕へ集めて。
The show must go on...
この命を懸けて、やり遂げよう。
Thank you for your request, Mr.T.
以上です。
壮絶すぎて、これを泣かずにいられようか。
技術とか、歌唱力とかではなく、この曲はフレディにしか歌えないと思います。
作曲者のブライアン・メイがフレディにこの曲を持ってきたとき、キーが高いし歌えないんじゃない?と身体を気遣ったメイに対してフレディが返した言葉について。
日本語のウィキペディアには、フレディはメイに「ダーリン、僕はこの曲にすべてを捧げるよ」と話した、とありました。(引用はおそらくCircus Magazine)
Rolling Stone誌による、実際に話したことはこちら↓
"I'll fucking do it, darling' — vodka down — and went in and killed it, completely lacerated that vocal."
「ちくしょうめ、やってやるよ。ぶっ倒れても、声が完全に出なくなってもさ」
とのことです。
そして本当にやり切ってくれました。もう、言葉もないです。
▼1991年、晩年のフレディの映像を編集して、字幕動画を作りました。
そして本当にやり切ってくれました。もう、言葉もないです。
▼1991年、晩年のフレディの映像を編集して、字幕動画を作りました。
このノートは、オークションにかけられて、70,000ポンド(1ポンドを150円で換算すると、約10,500,000円です)で落札されました。
小休止というか、少し気持ちを落ち着ける自分のために。
ロジャー・テイラーの歌う「ショー・マスト・ゴー・オン」1994年12月です。
▼ロジャーは相変わらず、自由奔放なお方です。出だしのフレーズはマイクにスイッチが入ってなくて、声が聴こえません。色々と、なにやってんだか。