2017年4月29日土曜日

Floyd The Barber - Nirvana 和訳

Floyd The Barber - Nirvana 和訳


「フロイド・ザ・バーバー」の元ネタは、アメリカのお茶の間のコメディ「"The Andy Griffith Show" メイベリー110番」というテレビ番組です。

頼れる温和な性格のおまわりさん、アンディが主人公。
ドジな部下に振り回されつつも、ほのぼのとアットホームな笑いを誘います。

「メイベリー110番」は、英語版ならyoutubeで見られます。
のんびり、ほんわかした万人受けするタイプのコメディです。
面白いですよ。


▼「フロイド理髪店」の看板が後ろにあります。
左が店主でご近所さんのフロイド。右が主人公のアンディ。




▼ドジっこでコミカルな部下、バーニィ。




▼左、おまわりさんの制服を着たアンディ。
右、家政婦のビーおばさん。
中央は、アンディの一人息子、オーピーぼうや。





アンディの一人息子、オーピーぼうやには母親がいませんが、歪むことなく、みんなに愛されてすくすくと明るく育ちます。


そして「モリーズ・リップス」同様、カート・コバーンの手でお茶の間の人気番組が、グランジ面に堕ちていく。(モリーズ・リップスはカバー曲ですけれど)

「フロイド・ザ・バーバー」は、このユーモラスなキャラクターたちが繰り返し自分を凌辱する、という歌詞です。

なんという…。

パロディにしては歌詞が重過ぎます。

両親が離婚したカートの目線で見ると、引っかかるものがあったのか、それとも、この番組自体がきれいごとに思えたのか。

いっそ深く考えないで、カートは悪い夢でも見たことにしたいです。

愛すべき登場人物が、グランジ面に堕ちるのは忍びないですが、頑張って和訳します。


▼パラマウント1991年のライブから。「フロイド・ザ・バーバー」





"Floyd The Barber" 和訳


Bell on door clanks - come on in
ドアのベルが、カランと音を立てた。
「さあさ、どうぞお入り」

Floyd observes my hairy chin
店主のフロイドは、俺のヒゲ面をじろじろ眺めつつ
理容椅子の向きをこちらへ向ける。

Sit down (in the) chair, don't be afraid
「ここへお座り。大丈夫、怖くないよ」

Steamed hot towel on my face
アツアツのおしぼりタオルが、顔にのせられる。

I was shaved
剃刀があてがわれ

I was shaved
削ぎ落していく。

I was shaved
俺は削がれた。


Barney ties me to the chair
バーニィが俺を椅子に縛り付ける。

I can't see, I'm really scared
タオルで顔を覆われているので何も見えない。
心底、恐怖で冷や汗が出る。

Floyd breathes hard, I hear a zip
フロイドは息を荒くしていて、
ズボンのジッパーを下げる音が聞こえた。

Pee-Pee pressed against my lips
抵抗したのに、俺の口にチンチンがねじ込まれた。

I was shamed
こんなことってあるか。
俺は辱められた。

I was shaved
俺は削ぎ落された。

I was shaved
俺は削がれたんだ。


I sense others in the room
別の部屋に、誰かいる気配がする。

Opie, Aunt Bee, I presume
オーピー、それにビーおばさんだろうか?

They take turns in cut me up
代わるがわる俺をいたぶり、切り刻む。

I die smothered in Andy's butt
(alt; I died smothered in Aunt Bea's muff)
アンディのケツが顔にのしかかり、
(ビーおばさんが顔にまたがり)
呼吸が出来ずに俺は死ぬ。


I was shamed
何かが砕けた。

I was shamed
俺は凌辱された。

I was shamed
俺は壊された。



以上です。

▼和訳付き動画。フォロワー様へ捧ぐ。




曲は好きなんです。
独特のリズムと、カート、クリス、デイブの順でフェードアウトする終わり方も。

メイベリー110番がこんなことになるなんて。
変な汗かきました。


おまけ

ご覧になったことのない方へ。
▼英語版でよろしければ「メイベリー110番」から、フロイド理髪店。









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2017年4月25日火曜日

It's Late - Queen 和訳

It's Late - Queen 和訳


ブライアン・メイ作「イッツ・レイト」はアルバム「News Of The World 世界に捧ぐ」の10曲目。6分22秒と長いですが、3部構成です。

ショートバージョンの3分49秒もあります。
ショートバージョンは、CDシングル用に編集されたもので、ギターの部分がばっさりカットされています。

1997年(フレディ没後)に作られたビデオ・クリップもあって、こちらは約4分。

聞き比べてみても、やはりCDのロングバージョンが良いですね。

有り難いことに、メイ氏による「イッツ・レイト」について解説があります。

下記、メイ氏の解説とねこあるきの意訳です。


"Brian May - 1989, In The Studio radio programme"より

"It's another one of those story-of-your life songs. 
「これは、人生において起こる出来事のひとつを表現した曲さ。

I think it's about all sorts of experiences that I had, 
そうだな、僕はあらゆる経験をしてきたけれども

and experiences that I thought other people had, 
他の誰だってそれは同じだと思うんだ。

but I guess it was very personal, 
多分、すごく個人的なこともね。

and it's written in three parts, 
それで、3つのパートに分けて、その事を書いたんだ。

it's like the first part of the story is at home, 
最初のパートは、自宅で起こった物語のようだ。

the guy is with his woman. 
ある男が、彼の女と一緒に自宅にいる。

The second part is in a room somewhere, 
2番目のパートは、どこかの部屋での事かな。

the guy is with some other woman, 
さっきの男は、別の女と一緒にいる。

that he loves, 
男は恋に落ちている。

and can't help loving, 
だから、想いを止められないんだ。

and the last part is he's back with his woman."
最後のパートは、男は最初の女の元へ戻って来る。
まあ、こんなお話し。」


すべての曲に詳しい解説を付けてもらうと、和訳する側としては有り難いのですが。
とにかく、メイ氏の意向通りに和訳と、分かりやすい様に、意訳を足しました。


▼オフィシャルのイッツ・レイト。




"It's Late" 和訳

「ありふれた恋の終わり」


Scene 1
シーン1:とある男性が女性と自宅にて


You say you love me
ベッドの中で「愛しているわ」と君が僕に言ったとき、
僕は何のことか分からず、一瞬だけ君を見つめた

And I hardly know your name
なぜって、僕は君の名前すら覚束ないから

And if I say I love in the candle light
そんな僕がもし「僕も愛している」なんて
キャンドルを灯すロマンティックなムードで言ったとしたら

There's no one but myself to blame
誰がそうしなくても、僕自身が自分を許せないだろう

But there's something inside
なのに、心のどこかに、何か引っかかるものがあって

That's turning my mind away
気が変わり、そんな考えを遠ざけた
僕は名前もよく分からない、君を愛していると言ったんだ

Woh oh how I could love you
ああ、その君が、僕の前から去ろうとしている
いかに愛することが出来たなら

If I could let you stay
引き留められただろうか


It's late
もう遅い

 - but I'm bleeding deep inside
だけど僕の心は深く傷ついて、赤い血があふれ出す
彼女を愛していないはずなのに

It's late
遅いんだ

- woo,is it just my sickly pride
僕がプライドにこだわった所為だ
きっと僕は無意識に、優位に立ちたかっただけ

Too late
遅すぎる

- even now the feeling seems to steal away
それでも、今まだ君を振り向かせられると錯覚している
君が僕から離れるはずがないと

So late
何を今更

- though I'm crying I can't help but hear you say
僕はこぼれる涙を隠し切れず、泣き声をあげたけれど
君の気持ちは変わらずに、小さく言った

It's late, It's late, It's late
「遅いよ、何もかも、もう手遅れなの」と
君の声が頭の中をこだまする

But not too late
でも、これで終わりじゃなかった



Scene 2
シーン2:男性は他の女性と部屋にいる

他の女性と愛を育んだ男性だが、
また別れを切り出されてしまう


The way you love me
君が僕へ注いでくれた愛は

Is the sweetest love around
世界のどこを見回したって、これほど甘美なものはなかった

But after all this time
でも、結局のところ、一緒にいた時間は

The more I'm trying
僕はただ、どうやって愛するか自分のことだけに必死になって

The more I seem to let you down
尚更、君をがっかりさせてしまった

Now you tell me you're leaving
今、君の唇が動いて、僕に「さよなら」と言っている

And I just can't believe that it's true
信じられないよ、これは現実に起こっている事?

Oh you know that I can love you
分かっているよね、僕は君を愛することが出来るんだ

Though I know I can't be true
そんなこと出来るはずがないって知ってるよ

Oh you made me love you
ああ、でもその僕に君は愛することを教えてくれた
君が僕を変えたんだよ

Don't tell me that we're through
どうか言わないで「私たちはもうお終い」なんて


It's late 
「遅いよ」

- and it's driving me so mad
僕の中から激しい衝動が付き上げる
思わず立ち上がり、出て行こうとする君の腕を掴む

It's late
「もう遅いの」

- Yes i know but don't try to tell me that it's
そうさ、もう遅いんだ、分かっているよ
だけど「さよなら」だけは言わないでくれ

Too late 
「遅すぎたわ」

- save our love you can't turn out the light
それでも、どうにかならないか
勝手に終わりにするなよ

So late 
「今更どうして」

- I've been wrong but I'll learn to be right
僕が悪かった。だけど何が悪いか良く分かったんだ
やり直すことはできないのか

It's late, It's late, It's late
「どうしてなの、今まで気付いてくれなかったじゃない、もう遅いの」

彼女は僕の手を振り切り、部屋から去って行った
僕は追いかけることも出来ず、ただドアを見つめていた

But not too late
そして僕にはまだ続きがあった


- I've been so long
そんな事を、僕は何度も繰り返して

- You've been so long
君もずっと、そうだった

- We've been so long tryin' to work it out
僕と君は長い間、話し合ったり、喧嘩したり
お互いうまくいくように努めたね

- I ain't got long
僕はもう、待たせたりせず

- You ain't got long
君も遠回りはしない

- We've gotta know what this life's all about
僕たちは、人生において愛とは何なのか
どう築いていくものか、分からなきゃいけない


Tryin' to work it out
上手くいくよう努力したのに

Yeah,hu

Woo,it's too late
それは遅かったかもしれない

too late
確かに遅くても

Not too late
もし、何か得たものがあったなら
手遅れじゃない


Scene 3
シーン3:男性は、初めに別れた女性の元へ戻る

男性の挙動は、次第にぎこちなく
女性は顔を強張らせている


You're staring at me
君はじっと僕を見て

With suspicion in your eye
その眼差しには、猜疑心があふれている

You say what game are you playing?
そして固く結んでいた口を開き
「なんのつもりなの?」と言った

What's this that you're saying?
「何か言いたいなら、はっきり言えばいいでしょ」

I know that I can't reply
用意された言葉など無く、何も言えない僕がいる
気持ちだけが募り、初めからこうなると分かっていた

If I take you tonight
もし今夜、無言のまま君を僕のものにしたのなら

Is it making my life a lie?
今までの積み重ねは無駄になって
僕の人生は不実なものになるだろうか

Oh you make me wonder
ああ、君はなんて僕を惑わせるひとなんだ

Did I live my life right
僕はどうしたらいい?
何が正しいか、誰か教えてくれないか


It's late 
この期に及んで

- but it's time to set me free
だけど、僕はあれこれ捉われず、もう自由になっても良いんだ

It's late
確かに遅いよ

 - Ooo yes i know but there's no way it has to be
ああ、そうさ。百も承知の上で分かったんだ
愛するには、どんなセオリーも無いってことに

Too late
遅すぎたけれど

- so let the fire take our bodies on this night
だからこのまま、君を押し倒して、朝まで二人熱く燃え盛ろう

So late
もう間に合わないけれど

- let the waters take our guilt in the tide
滴る汗と涙とともに、僕たちの過ちを時の波間に流して
夜明けと同時に潮時を迎える

It's late, It's late, It's late,
遅いよ、遅すぎたんだ、なぜ気付かなかったんだ、

It's late,It's late, It's late, It's late,
今頃になって、やっと分かるなんて、もう手遅れなのに、何で今なんだ

oh

It's all too late
これで全てが終わりを告げた



以上です。

メイ氏というと、失恋の曲ばかり作ってるイメージがありますが、これは終わりかけの恋を情動的に表現していますね。

相変わらず、理屈っぽいイメージが拭い切れませんが、イッツ・レイトは甘いラブソング好きのねこあるきの好物です。


第三者的に見ると、別れ際になりふり構わず必死になる姿って、格好つけるより断然良いと思うんですよ。
当事者は修羅場かもしれませんが。

ただ、この修羅場においてメイ氏みたいに男性が女性を「無言で押し倒す」というのは、おすすめ出来ないです。

男の立場で言うと、気持ちが昂ぶるあまり、一種の正当化できる行為なのでしょうが、女性側から見ると、「身体が目的だったのね」と幻滅されるか、下手をすると傷付けてしまいます。

「押し倒す」までは良いとして、その続きは相手の了解を得るか、出方を伺ってからの方が良いのではないかと、老婆心ながら思うわけです。
いや、いくら若さを言い訳にしても。

それと、メイ氏は「よくあること」と言いますが、名前も知らない相手を家に引き込む事は、あまり一般的ではないんじゃないのかと。

相手をよく知りもしないで付き合うことは、あるのかもしれません。


などと、まるで映画を見た感想のように思ってしまいました。
良いですね。3部構成の劇場仕立てなんて、斬新で。
この曲はフレディの声がよく合います。


おまけ

▼イッツ・レイト1997年のビデオ・クリップ。
娼婦とラスベガス(映画のシーンから)、それとライブ映像の組み合わせ。



▼CD用ショート・バージョン。(音源)










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2017年4月23日日曜日

Spread Your Wings - Queen 和訳

Spread Your Wings - Queen 和訳


クイーンのメンバーの中では地味で、目立たないものの、安定したベースのジョン・ディーコン作。
邦題は「永遠の翼」と書いて「とわのつばさ」と読むんですね。ずっと「えいえんのつばさ」だと思っていました。

ねこあるきの勝手な憶測ですが、おそらくこの曲はディーコンの生い立ちが影響していると思います。

電子工学の道を進み、秀才でマネジメントにも強い、堅実なディーコン。
初めて楽器を手にしたのは7歳、とは言っても、プラスチックのギターで、演奏するというよりは、首から下げるだけで満足しているような子どもでした。

大人しくて、引っ込み思案、誰の印象にも残らない。

ディーコンが10歳か11歳のころ、父親が42歳で急逝し、ディーコンはショックが大きすぎて、より一層、しゃべらなくなってしまいます。

父親を失ったことで、母親は育児を一手に引き受け、当然ながら堅実な道を歩くよう教え諭します。

12歳の時、新聞配達のバイトをして、本物のギターを購入。
14歳の時には学業に専念しつつ、片手間でバンドを組み、ライブをするという、音楽には趣味の範囲でしか手を出していません。

パブでライブをやる、という話が出たときは、母親が「パブに行ってライブなんて、とんでもない!」と激怒し、結局パブのライブはやめさせます。

ロンドンへ、電子工学科へ進学するに合わせ、持っていた楽器や機材の一切を置いて行き、バンドのメンバーは、ディーコンはもう音楽はやめたと思いました。


そんなディーコン少年が、クイーンのメンバーとして歩き出すには、大きな心の葛藤があった事でしょう。

「永遠の翼」の曲中に登場する人物、「サミー」も「支配人」も、そして「バー・エメラルド」も、ディーコン自身の中に存在しているのではないかと、思えるのです。


歌詞は難しくなく、訳しやすいので、ちょっと遊び心で物語調に手を加えました。

▼永遠の翼、スプレッド・ユア・ウィングスのPV。
めちゃくちゃ寒そうですね。





"Spread Your Wings" 和訳



Sammy was low
サミーは沈んだ気持ちで膝を抱え

Just watching the show
雑然と、酒瓶や荷物が積まれた暗い裏方から
煌びやかな表舞台のショウを、ただ眺めていた

Over and over again
何度も何度も、仕事も時間も忘れて

Knew it was time
その時が来たと

He'd made up his mind
今こそ思い立つ時だと分かっていた

To leave his dead life behind
この生き甲斐のない、日陰の人生に別れを告げなければ


His boss said to him
しかし今日こそは、と思いつつ
支配人の、サミーの雇い主が言うことに反論できず、
無為に時間だけが過ぎていく

ぼんやり座り込むサミーの前に、支配人が足音を立ててやって来て
見下ろしながら呆れ顔で言う

"Boy you'd better begin
「お前なあ、いつまでそうやっているんだ

To get those crazy notions right out of your head
また悪い癖が始まったのか
悩むくらいなら、バカなことを考えるのはよせよ

Sammy who do you think that you are?
サミー、聞けよ
人間には身の丈ってもんがあるんだ
お前は自分をなんだと思ってる?

You should've been sweeping up the Emerald Bar"
いいから、さっさと仕事に戻れ
この、バー・エメラルドの床掃除が、
今お前がやるべき現実だろうが」


急き立てられ、重い腰を上げ、
床を掃くブラシの音を遠くに聴きながら
サミーはまだ煮え切らない思いを、反芻していた


Spread your wings and fly away
勇気を出して、翼を広げて飛び立つんだ

Fly away, far away
風を切って、君が望む高みへと飛んで見ろよ

Spread your little wings and fly away
君の小さな翼を広げ、大空へ乗り出そう

Fly away, far away
高く、どこまでも高く

Pull yourself together
だから、しっかりしなよ

'Cos you know you should do better
誰が何を言おうが
自分が一番、最善の道を分かっているはずだろう

That's because you're a free man
自分を縛っているのは自分だと気付きなよ
君はいつだって自由なんだ


He spends his evenings alone in his hotel room
サミーは仕事が終わると、決まって独りで夕暮れの中
借りた部屋の中で過ごした

こんな毎日をいつまで繰り返せばいいのか、と
何度思ったことだろう

Keeping his thoughts to himself, he'd be leaving soon
分かってる、誰に話したところで一歩を踏み出すのは自分だ
こんな所で腐ってる場合じゃない
今すぐにでも、夢を追いかけるんだ

Wishing he was miles and miles away
想像は鉛のように重い体を抜け出し
彼方へと想いを馳せる

Nothing in this world, nothing would make him stay
よどんだ瞳は活き活きと輝きを取り戻し、
彼を止めるものは何もない、押し留めるものなど有りはしない


Since he was small
サミーは周りと比べて背も低く、
声も小さいみそっかすだった

Had no luck at all
運にはことごとく見放され

Nothing came easy to him
何をやるにしても、困難が付きまとっていた

Now it was time
根拠も自信も無いけれど
きっと何もしないままなら、先は見えている

He'd made up his mind
だから、今こそ変わらないといけない時だ

"This could be my last chance"
「たぶん、この機会を逃したらあとは無いだろうな」
漠然とした焦燥感が彼を奮い立たせる

サミーが力強く顔をあげた瞬間、目に飛び込んできたのは
腰に手を当ててしかめっ面をした支配人だった

His boss said to him, "Now listen boy!
サミーを挫くかのように、
ため息と苛立ち交じりに支配人は語気を荒げた
「今日という今日はさ、おい、頭に叩き込んでおけ!

You're always dreaming
どうでも良い大きな夢とやらに、いつもふけっているけどよ

You've got no real ambition, you won't get very far
実際どうなんだ、お前にやり遂げるだけの度胸なんかあるか?
何か実績でもあるか、無いだろ?
お前の描く夢には程遠いんだよ

Sammy boy, don't you know who you are?
サミー、なあ、俺はお前を思って言ってるんだ
高望みしすぎなんだよ
地に足付けて生きるのが真っ当だと思わないのか?

Why can't you be happy at the Emerald Bar?"
夢なんて追っかけて、失敗したら目も当てられないって
お前もよく分かってるだろ

仕事が無い奴だっているんだぜ
ここのバー・エメラルドで働けるだけでも充分だと思うがな
お前は恵まれているんだ、いい加減分かれよ」

サミーはこぶしを握り、言い返すことも出来ずうつむいた


So honey
ねえ君、自信を持って

Spread your wings and fly away
その背中には翼がある
広げてみなよ、空へと飛び立つんだ

Fly away, far away
高く、遠く、君の望むところへと

Spread your little wings and fly away
小さな翼を広げて、一歩踏み出してごらん
真っ逆さまだなんて怖がらないで

Fly away, far away
風を味方にして軽やかに舞い上がるから
そう、どこまでも遠くへ

Pull yourself together
大丈夫だよ、自分を信じて

'Cos you know you should do better
自分が為すべき最善のことを、君は分かってるんだろ

That's because you're a free man
そして君はいつでも自由だから

Come on, honey
さあ、行こう



Thank you for your request,Mr.T.

以上です。
といいつつ、続きがあります。

追記:
歌詞には無い部分で、わずかではありますが。
最後の「Come on,hohey さあ、行こう」のあと。


I'll be with you
僕が付いている


が、フレディのアドリブでしょうか、聴こえます。
これがBBCバージョンになると、


Let me take you 
僕が連れて行くよ


に代わっています。
こちらはハッキリ聴こえるので、フレディからのメッセージなのかな、と思います。


以上です。



▼字幕付き動画を作りました。
画質と、音質の良いものをあれこれ組み合わせました。






ディーコンはアルバム「クイーンⅡ」が出る1974年まで、学業を続けています。

ミュージシャンとして生きる決意をした心境の推移は、いかほどだったでしょうか。

そして、ボーカルのフレディ・マーキュリーも45歳で早逝し、ディーコンは実質引退をしています。

自身の父親と同じくらいの年齢で亡くなったフレディが歌う「永遠の翼」を、ディーコンは今、どんな想いで聴いているのでしょう。



おまけ

ディーコンの心中を推し量っていたら、なんだかしんみりとしてきたねこあるきです。
フレディーの声で励ます「いつだって君は自由なんだ」あたりが、心に沁みます。

気分を変えて、PVに関するちょっとしたコラムを。


雪の残る、いかにも寒そうな「Spread Your Wings 永遠の翼」のPVが撮影されたのは、ロジャー・テイラーの家の庭です。

冒頭でベースを抱えたままピアノを弾いているのはディーコンですが、実際に演奏したのはフレディ。

フレディは薄汚れた手袋をしていますが、これはクイーンのローディー(付き添いでミュージシャンのお世話をする人のこと)、ピーター・ヒンス氏の持ち物を奪って着用しています。

ピーター・ヒンス氏のニックネームは「Ratty ラッティ」で、PVをよくよく見ると、消えかけたマジックで手袋に"Ratty"と書いてあります。

ロジャーもフレディも手袋と革ジャンを着用していますが、ディーコンとブライアン・メイは手袋もできず、スタジャンだけ。
寒さのあまり、途中でディーコンは上を向いて洟をぬぐっています。

お寒い中、お疲れ様です。


▼上へ戻るのが面倒な方へ、もう一度PVを貼っておきます。





▼メイキング、というよりNGシーンのようなもの。
フレディが滑ってコケます(笑)




▼BBC版のSpread Your Wings(音源)
ロックなアレンジで、後半のピアノは前向きな雰囲気。
ねこあるきはお気に入りです。










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2017年4月21日金曜日

Victims - ヴィクティムズ いつも二人で Culture Club 和訳

Victims - ヴィクティムズ いつも二人で Culture Club 和訳


タイトルは「Victims ヴィクティムズ」ですが、歌詞の中では「The victims ザ・ヴィクティムズ」になっています。特定の誰かを示しているのでしょう。

考えなくても、ドラムのジョン・モスとボーイ・ジョージの二人だと思い付いた方は、カルチャー・クラブの常連さんですね。

この曲の発表時期は、「カーマは気まぐれ」の少しあと、「ミスミーブラインド」の前、いずれも1983年です。

"Victims"の意味は「犠牲者」や「被害者」の他にも、「魅了され、虜になった人」、「騙される」「食い物にされる」、そして「生け贄」という色んな意味があります。

カルチャー・クラブの歌詞に、いつもながら特徴的だと思うのですが、「Victims 犠牲者」の単語に込められた意味が多すぎるので、何の犠牲になったのか、「犠牲者」をどう解釈するかはお任せします。


▼ヴィクティムズのPV。ボーイらしい世界観が素敵です。




"Victims" 和訳


The victims we know so well
「犠牲者」、僕たちには何の事かよく分かっているよね

They shine in your eyes 
今では変わり果てた彼らだけど、
あの頃と同じ姿で君の瞳に宿っている

When they kiss and tell
そして彼らはキスして語り掛け

Strange places we never see
未知の場所へ導いてくれるんだ

But you're always there
でも、気付いていないかな
君はいつもその場所にいるんだよ

Like a ghost in my dream
僕の夢に現れる、付きまとう幽霊のように
気が付けば傍にいて、決して離れないのと似ているね

And I keep on telling you
僕は君に繰り返し語り続けよう

Please don't do the things you do
お願いだから、今やっている事も、やろうとしている事も
やめて欲しいんだ

When you do those things
だって、君が何かを行動するときには

Pull my puppet strings
僕を操っている糸を引っ張って

I have the strangest void for you
僕はバカみたいに操られ、望まない動きをさせられるから
心は空っぽで、誰よりも不格好な操り人形みたいだよ
すべては君のために


We love and we never tell
僕たちの愛は確かなものだと信じている
だから、決して問わないよ

What places our hearts in the wishing well
想いが叶う、願い井戸がどこにあるかなんて

Love leads us into the stream
愛は、僕らを試すかの様に押し流して

And it's sink or swim 
二人は終わりを告げるのか、それとも絆を強くするか
大きな決断を迫ったりするけれど

Like it's always been
今までもずっとそんな事があったよね

And I keep on loving you
だから僕は、今までもこれからも、君を愛し続けるよ

It's the only thing to do
それが僕にできる唯一つのことだから

When the angel sings
天使の歌声すらも

There are greater things
どんな偉業であったとしても

Can I give them all to you
僕が出来る限り、持てるものすべてを君に贈ろう

uh,oh,uh


Pull the strings of emotion
ねえ、心の糸にふれてごらん
その糸は君の封印してしまった熱情につながっていて

Take a ride into unknown pleasure
頑なな心を和らげ、経験したことのない至福が包みこむ

Feel like a child on a dark night
僕はまるで、子どもが暗闇の中で小さな手を合わせて

Wishing there was some kind of heaven
一心にお空へ願いをかけているよう

I could be warm with you smiling
和やかな気持ちで、僕と君は一緒に微笑んでいたいから

Hold out your hand for a while
あの時、君と僕を繋いでいたその手を
少しの間だけ僕に差し伸べて

The victims we know them so well...
「犠牲者」、それが何を意味するのか僕らは知っている

so well
よく知っているはずだよ

ah


The victims we know so well
「犠牲者」、僕と君の間には、あえて言う必要もなく

They shine in your eyes when they kiss and tell
犠牲となった彼らは、君の瞳の中で幸せなまま生き続け
優しくキスして教えてくれる

Strange places we never see
僕らがまだ見知らぬ未来へ、その在り処へと

But you're always there like a ghost in my dream
でも君はいつでもその場所にいるんだ
僕の夢に出る幽霊の様に、気付かないうちに傍にいる

And I keep on telling you
僕は君にずっと語り続けるよ

Please don't do the things you do
君がやっていることをどうか止めて

When you do those things, pull my puppet strings
僕を操る糸を引き、意のままに操ろうとしないで
僕は心の無い人形じゃないよ

I have the strangest void for you
何も満たされず、空しく僕は君のために踊り続ける
僕はこの世で一番、馬鹿げた操り人形みたいだ

oh,uh

Show my heart some devotion
君をどれほど深く愛しているか、僕の献身を見せてあげる

Push aside those that whisper never 
だから、小さな囁きに耳を傾けて
どんな時でも邪険にしないで

Feel like a child on a dark night
闇夜に幼い子どもが震えて誰かを求めるように

Wishing we could spend it together
二人が一緒にいられるよう切望している

I could be warm with you smiling
温もりの中で、君と微笑んでいられることを

Hold out your hand for a while
離れてしまった二人の手
僕の手は虚空を掴んでいる
少しだけでも、君の手を伸ばして握って欲しいよ

The victims we know them so well,
「犠牲者」、僕らは何を意味するか分かるよね

so well...
よく分かっているよね



Thank you for your request,Ms.Y.

以上です。


▼字幕付きの和訳動画を作りました。
2017年12月31日から2018年1月1日にかけて。
ねこあるきは、カルチャー・クラブと年越ししました。




ところで以前、私はブログの中で「カルチャー・クラブは10曲和訳する」、と言っていましたが、これで既に9曲目です。
ラストあと1曲?!、と今更ながら気づいたわけです。

飽きっぽいねこあるきにとって、10曲とは永遠に終わらない数だと思っていましたが、足りないですね、まだまだやりたい曲もあるし。

カルチャー・クラブは「カーマは気まぐれ」以外、ご存知ない方も多いですが、名曲揃いです。
また来日してくれる日を願って、10曲に拘らずもっと和訳してみようと思います。



おまけ


「ヴィクティムズ」は、「Shirley Temple Moment シャーリー・テンプル・モーメント」というタイトルで、メイキングみたいな音源が発表されています。

しょっちゅう演奏をやめて"fuckin' !"と叫んだり、やたら口の悪いメンバーですが、罵詈雑言はおいといて、やり取りがちょっと興味深かったりします。
曲の完成度の高さは、こういう過程を経て出来上がっているのですね。

クイーンのメンバー4人も、曲作りの中で、マジ切れの喧嘩することだってある、と語っていましたし。

▼「シャーリー・テンプル・モーメント」。
※過激な発言が含まれますので、ご注意ください。
品行方正なテンプルちゃんとは程遠い雰囲気の音源です。
(おそらく皮肉でしょうけれど)

この音源で、各メンバーが何を言っているか、文字に起こしたサイトを見つけました。世の中は広いですね。
ちょっと、和訳するには憚られるので、リンクだけ貼ります。
文字起こしはここ



この「シャーリー・テンプル・モーメント」は、初期のデモ音源を録音中の出来事です。

特に興味深いのが、ボーイの歌う歌詞。
途中までは同じで、一部異なっているので、おまけで和訳します。

"Oh, the victims we know so well
They shine in your eyes when they kiss and tell
Strange places we've never seen
But you're always there like a ghost in my dream
And I keep on telling you
Please don't do the things you do
When you do those things, pull my puppet strings
I've the strangest void for you...
Oh, we love and we never tell
What places our hearts in the wishing well
▲ここまでは同じ

▼ここから歌詞が異なります。

Strange lover I've never been
僕はこんな二人の付き合い方をした覚えはないよ

But you must be strong, you must come clean
君は強くならなきゃ、そして心の内を僕に吐露して

If I keep on loving you, it's the only thing to do
僕が君を愛し続けるために、それだけはやって欲しい

There are stranger things if I do those things
そうでなければ、僕は一体何なの

I'm a puppet king for you..."
今の僕は君のための、張り子の操り人形じゃないか


以上、おまけ和訳です。

「シャーリー・テンプル・モーメント」の音源は、繊細な方が聞く(見る)とショックを受けるかもしれませんので、もし勇気が無くて聞けない方は、お気軽にご質問ください。






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