2016年3月19日土曜日

Polly - Nirvana 和訳

Polly - Nirvana 和訳


「ポーリー」なのか「ポリー」なのか一瞬迷いました。

実際に起きた、婦女暴行事件を元に、犯罪者の心境を歌ったそうです。
事件は連続的、複数の傷害致死、なものだったようです。

アメリカにおける婦女暴行事件は結構深刻で、
公式には女性の5人に1人は被害に遭っているとのこと。
(公式だから、氷山の一角でしょう。)

シリアルキラーとか、サイコパスとか、私には理解に苦しむ心理です。

「polly」は、淡々と単調に進む、抑揚が少ない曲の調子が
まったく悪気なく犯行に及ぶような、
むしろ犯行というより趣味の1つみたいで
何気ない日常のひとコマを表しているかのようです。

珍しく(?)終始、優しげなカートの歌声が、
犯罪者のどんよりと底知れない内面を浮かび上らせて、
そのワンシーンを垣間見ている感じがしました。


▼1991年パラマウントのライブ「ポーリー」。ちょっとテンポが速いです。




▼1993年のアンプラグド(Unplugged)のポーリー。こっちの方が好きです。
  ※他言語の字幕が出ますが、映像も音声もクリアです。





"Polly" 「ポーリー」

()内は、MTVで放映された番組「Unplugged・アンプラグド」での歌詞です。

最初に補足します。
「Polly:ポーリー」は女性の名前、
もしくはオウムや小鳥につける一般的な名前です。
犬=ポチ、猫=タマみたいな。

誘拐してきた少女を、小鳥をハンティングして捕まえた、と例えています。
連続犯なので、捕まえたのは一羽だけとは限りませんし、生死は不明です。

男性は今日も趣味の狩りに出掛けます。
うまいこと、好みの小鳥(女性)を捕まえたようです。
なんとかカゴに入れること(監禁)に成功しました。


Polly wants a cracker
小鳥ちゃん、ほらポーリー。クラッカーを頂戴しな。エサやりの時間だよ。

I think I should get off her first
でも、最初に事を済ませた方が良かったかな。

I think she wants some water
鳥カゴには水を切らしちゃいけない。ポーリーは水が欲しいんだな。
今、水をあげるからね。

To put out the blow torch
灯かりの火を消すにも、水がいるだろうから。


It is'nt me (Unpluged : Isn't me,)
俺?
俺が怖いって?怖くないよ。大丈夫。

We have some seed (Have some seed)
ほら、もっとエサでもお食べ。
よしよし、いい子だ。クラッカーだけでなく、種もあげるよ。

Let me clip,
Your dirty wings (Dirty wings)
さて、その汚れた羽を切り落とさせてもらうよ。

Let me take a ride,
俺がお前に乗っかるのに邪魔だからさ。

Don't hurt yourself (Hurt yourself)
痛い思いをしたくないだろ?俺だって傷つけたくはないし。
素直に言うことを聞くと良い。

I want some help, (Want some help)
ちょっとばかり手伝ってもらえないかな。
ダメか。悪い子だな。じゃあいいよ。

To help myself (Help myself)
自分でやるから。

I've got some rope (Got some rope)
ロープを使わせてもらうよ。
仕方ないだろ。お前が暴れるからいけないんだ。

You have been told (Have been told)
俺は最初に言ったよね。

I promise you (Promise you)
約束は守る。
素直に言うことを聞けば、痛いことはしないって。

I have been true (Have been true)
嘘は言わない。本当さ、嘘は嫌いだ。
俺はひどい人間じゃない。

Let me take a ride,
さて、お前に乗せてもらうよ。

Don't hurt yourself (Hurt yourself)
俺だって痛めつけたくはないんだけど、
お前が俺にそうさせるから。

I want some help, (Want some help)
もっと手伝って。

To help myself (Help myself)
俺だけが満足したいんだ。


Polly wants a cracker
今日もポーリーにエサやりの時間だ。
おなかが空いただろ?「ちょうだい」のポーズをしてごらん。

Maybe she would like more food
どうも元気が無いようだ。困ったな。
エサが足りないのかな。もうちょっと食べるかい。

She asks me to untie her
なんだって?ロープをほどけって?
こんなに良くしてやってるのに、自由になりたいとはどういう意味?

A chase would be nice for a few
ああそうか、少し追いかけっこして遊ぶのも悪くない。


It is'nt me (Isn't me)
痛いとか怖いとか、俺の所為じゃないよ。

We have some seed (Have some seed)
かわいい子だね。いい子、いい子ちゃん。
俺はこんなにもお前を想っているよ。今日は上等のエサをあげる。

Let me clip,
Your dirty wings (Dirty wings)
邪魔くさい、その薄汚い羽をもぎ取っても良いよな?

Let me take a ride,
お前に乗るのに必要ないからさ。

Don't hurt yourself (Hurt yourself)
ほらまた、痛い思いをした。少しは学習するんだ。
俺だって痛がるお前を見るのは辛いんだよ。

I want some help, (Want some help)
手伝ってね。
いいから手伝えよ。

To help myself (Help myself)
俺の手を煩わせやがって。

I've got some rope (Got some rope)
ロープできつく縛り上げてやる。

You have been told (Have been told)
覚えてないのか。何度言わせるんだ。

I promise you (Promise you)
俺はお前に約束したよなあ?
大人しくしときゃ、何もしないってよ。

I have been true (Have been true)
俺は約束を守った。先に約束を破ったのはお前だ。

Let me take a ride,
いい加減、黙って乗らせないか。

Don't hurt yourself (Hurt yourself)
痛いのは自分が悪いんだろ。俺の所為じゃない。

I want some help, (Want some help)
もういい、勝手にする。

To help myself (Help myself)
言うことを聞かないお前なんか知らねえよ。
俺は楽しみたいんだ。


Polly said
ある時、ポーリーがしゃべった。

Polly says her back hurts
どうも元気が無いのは、背中が痛むから、らしい。
小鳥も肩こりするもんなのかな。

She's just as bored as me
まあ、毎日カゴの中じゃ退屈だろうよ。俺だってそうなるさ。
たまには羽を伸ばしたい、ってやつね。はは、面白い。
気晴らしに、また追いかけっこでもするかい。

She caught me off my guard
ポーリーが、隙を突いてどこかへ逃げていった。
あちゃー、油断した。
あんなに懐いていたから逃げないと思ったのに。

It amazes me, the will of instinct
新たなる驚きの発見だ。これが生命の本能ってやつか。
いくら飼いならしていても、野生の直感には勝てないとは。
ひとつ勉強になったよ。


It is'nt me (Isn't me)
おいで。怖がらなくていいよ。

We have some seed (Have some seed)
おいしいご馳走も用意したよ。さあ、遠慮なく食べて。

Let me clip,
Your dirty wings (Dirty wings)
お前の羽をちょん切らせてくれ。
汚らしくって邪魔なんだよ。これからお楽しみってときにさ。

Let me take a ride,
乗せろ。
黙ってヤったっていいところを
こっちは紳士的に頼んでやってるんだ。

Don't hurt yourself (Hurt yourself)
言うことを聞け。また痛い目に遭いたいのか。
苦しむのはお前だぞ。

I want some help, (Want some help)
お前から進んで俺を満足させろよ。

To help myself (Help myself)
出来ないのか。なら仕方ないな。いつものアレだ。

I've got some rope (Got some rope)
ロープを使う。今更懇願したってもう手遅れだ。
ロープの出番だよ、小鳥ちゃん。

You have been told (Have been told)
俺とお前は、神に誓って約束したよね。

I promise you (Promise you)
たった1つの約束がなぜ守れない?
何も難しいことじゃないのに。

I have been true (Have been true)
俺はお前にちゃんと尽くした。こんなに誠実な人間はいないぞ。
なのに、お前はダメなやつだ。

Let me take a ride,
最後のチャンスをあげる。俺はお人よしだ。
俺を楽しませろ。

Don't hurt yourself (Hurt yourself)
期待した俺がバカだったみたいだな。
勝手に自滅しやがった。

I want some help, (Want some help)
ちょっと手を貸せば済んだものを。

To help myself  (Help myself)
もっと楽しませてくれると思ったのにな。


以上です。

音楽を和訳しているだけなのに
「Lithium リチウム」では違法薬物だの、
「Polly ポーリー」ではサイコパスだの、妙な知識が増えました。
ちょいと物騒ですよ、カート・コバーン。

もし、カートが物騒なんじゃなくて、
これがアメリカのもつ一面を素直に曲にしただけ、というなら
いろいろと大丈夫なんだろうか。先進国なのに。


▼おまけ。1993年MTV Unplugged/アンプラグドのリハーサルです。




▼おまけ追加。テンポの速い「ニューウェイブ版ポーリー」。
「New wave Polly」は、アルバム「インセスティサイド」収録です。




▼ポーリーのホーム・デモ(カートの自宅でカセットテープに収録された、最初の音源)「ウィズ・ザ・ライツ・アウト」収録です。ときどき音にノイズが入ります。




ここからは、興味のある方だけ。

カートは、この曲はジェラルド・フレンドの事件によってインスピレーションを得た、という説があります。
ジェラルド・フレンド(1938~)とは、猟奇殺人犯の名前です。

ジェラルドの起こした事件は、

・少女をターゲットにしている。
・捕まえたあと、ロープを使って拷問している。
・監禁・婦女暴行、殺害を行っている。
・少女が逃げ出し、逮捕へつながっている。

カートは事件の新聞記事を読んで、「Polly」の作曲に至ったと言われています。
ジェラルドは分かっているだけで1960年6月に最初の事件を起こし、仮釈放後、1975年に第二の事件を起こします。(ただし、すべての被害者数や、全容が明らかになったわけではなさそうです。)

カートは1967年生まれ、「Polly」は1987年作ですので、時間の流れから言えば、カートがどこかで事件を知っても違和感は無いです。
ロープを使って痛めつけたり、被害者が逃げ出す、という点が、ジェラルドの事件と「Polly」との共通点ですね。

ご参考までに。








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