Territorial Pissings - Nirvana 和訳
テリトリアル・ピッシングズ。
カート・コバーンの娘、フランシスは「グランジには興味ない」
と言い切っていますが、この曲だけは大絶賛しています。
ベース担当のクリスによる、馬鹿にしたように甲高くハイテンションな
マイクパフォーマンスから入ります。
CDについていた歌詞カードには、この部分の歌詞がありませんでしたが
ライブでは必ず入るので、この曲の大事な部分でしょう。
なぜ「テリトリアル・ピッシングズ」というタイトルなのか、とか
考える前に、まずは和訳です。
▼パラマウントのライブ1991年。テリトリアル・ピッシングズ。
途中でギターの弦が切れて、ベースのクリスに突っ込まれ、カートは少し笑顔を見せます。弦が切れたまま、演奏はそのまま続行です。
"Territorial Pissings"
"Come on people now,
「さあ、始まるよ!
smile on your brother and everybody get together,
ご家族、お友達、知らない人もご一緒に笑って笑ってぇ~、はいニッコリ!
try to love one another right now"
今こそみんな仲良く輪になろう!」
When I was an alien, cultures weren't opinions
俺が右も左も分からない頃、既にあったものは何の役にも立たなかった。
「文化」なんて言われている代物さ。
Gotta find a way, to find a way, when I'm here
見つけなきゃ、探さなきゃ、自分なりの道筋を。今のうちに!
Gotta find a way - a better way - I had better wait
見つけ出せ、より良い進路を、そして機が熟すのを待つんだ。
Never met a wise man, if so it's a woman
頭の良い男なんて、ついぞお会いしたことなんぞ無いね。
もし、いたんだとしたら、そりゃ男じゃないんだろ。
みんな女の腐ったようなもんばっかさ。
Gotta find a way, to find a way, when I'm here
お前だけの生き方を見つけろ、俺がここにいるうちに。
Gotta find a way - a better way - I had better wait
きっとあるはずだ、お前しか出来ないことが。そして機会を狙え!
Gotta find a way, to find a way, when I'm here
常識や先例なんてアテにすんな。俺もそうだったみたいに。
Gotta find a way - a better way - I had better wait
型にはまるな、もっと何かあるはずだ。よく見渡すんだ。
Just because you're paranoid, don't mean they're not after you.
ここまで言い切っといてあれだけど。
お前が確信を持って自分自身の生き方を決めてさ、それを貫いたところで
誰かが賛同して付いて来てくれるとは限らんぜ。
お前のこだわりは、単なる妄想癖とか病気かも知れないのさ。
俺は知らん。あとは自己責任でよろしく。
Gotta find a way, to find a way, when I'm here
ってなわけで。
ほら早く!今すぐ自分の生きる道を探すんだ!
Gotta find a way - a better way - I had better wait
ルールなんて無視しとけ。誰が決めた?お前が決めたって良いことだ。
チャンスは平等に降ってくる。
Gotta find a way, to find a way, when I'm here
ぶち壊せ。目の前にレールなんて敷かれてねえ。俺を見てみろ。
Gotta find a way - a better way - I had better wait
何でも良い、人の目なんか気にすんな。最短ルートは自分で考えろ。
いつか日の目を見るまで。
Gotta find a way, to find a way, when I'm here
滅茶苦茶でいい、カオスでなにが悪い。俺がいるだろ。
Gotta find a way - a better way - I had better wait
顰蹙(ひんしゅく)買おうが、良いんだったらそれで良い。理解は後だ。
Gotta find a way, to find a way, when I'm here
声が枯れるまで、何度も言ってやるよ。見つけ出せ、探し出せ。
Gotta find a way - a better way - I had better wait
お前しか知らない方法があるはずだ。それがいつかは実るって。
以上です。
和訳だけ見ると、型にはまらず自己流を貫くことを肯定する、
前向きな内容に見えます。
が、タイトル「テリトリアル・ピッシングズ」を訳すと
「(犬や猫みたいに)尿をかけてマーキングして回る奴ら」。
狭い世界で、我も我もと自己主張するのを、マーキングで「ナワバリ争い」している有様に例えて皮肉でつけたのでしょうか。
さらに曲中で、自己流を貫くことを、「それは単なる思いこみか、病気もしれないし、誰もお前についてくるとは限らん」と切り捨てます。
誰しもが、我流を押し通そうとひしめき合っているところ、さらに我流で生きることをあおっておきつつ、冒頭のクリスのマイクパフォーマンスでわざとらしく「みんな仲良くネ☆」と入ります。
個性も大事だけど、協調も妥協を強いられることもありますよね。
世に言う「天才タイプ」の人を見て思いますが、
個性が強ければ強いほど、頭よく立ち回るのは難しいものです。
おまけ
▼テレビ番組、SNL1992年。
無茶な破壊行為はいつものこと。個人的に面白かったのは、演奏後、CMをはさんだあとのエンドロール時。
カート・コバーンはベース担当のクリスに熱烈なキスを受け、ドラムのデイブにしなだれかかり、デイブに抱っこスイングされます。
その後は、大団円になじめず、手持ち無沙汰っぽいのがカートらしいですが 仲の良い3人の姿は、ライブ・インタビュー問わずあちこちで散見できます。
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