2017年10月19日木曜日

You Take My Breath Away - Queen 和訳

You Take My Breath Away - Queen 和訳


フレディ・マーキュリー作、ピュアで情熱的なラブソング。
邦題「テイク・マイ・ブレス・アウェイ」は、ひとり切なく、思い悩んでいる様が目に浮かびます。

アルバム「A DAY AT THA RACES 華麗なるレース」(1976年12月)の2曲目。

歌詞を見て、恋に落ちている状況を(無粋にも)推測しました。


・音を立てる、呼吸が聞こえる距離にいる。
→友達として、親しい方に、想いを抱いています。

・1度のキスはおろか、相手がふれると、震えがくる。
→つまり、親しいが、そういう間柄ではない。

・離れていく、拒まれると生きていけない。
→この関係が壊れるのが怖いのか、気持ちを伝えられずにいる。

・最後の、最後にやっと「愛している」が出てくる。
→どうしても最後には想いを打ち明けたい。


近くて遠い、片想いの恋ですね。

フレディ作なのに、すごく意外、と言ったら失礼でしょうか。
こんな奥手な一面があったとは。

美しいピアノと、泣き出しそうな音色のギター。
フレディの、切に訴えかけるような、伸びやかな歌声。

最後の、やっとの思いでふり絞るような " I love you"がまた麗しい。


▼「You Take My Breath Away テイク・マイ・ブレス・アウェイ」




"You Take My Breath Away" 和訳


Ooh
Take it, take it all away
持ち去って、僕のすべてを奪って

Ooh
Take my breath away
この命すら惜しくはない

Ooh
You take my breath away
君に出会って
僕は息をつぐことも出来ない


Look into my eyes and you'll see
無邪気に笑う、君の隣で
平気な素振りをしながら、君を目で追う僕の視線に気づいて。

I'm the only one
瞳を覗くだけで、すぐ気付かれてしまうほど、
僕以上に、君を想うひとは他にいない。

You've captured my love
君は僕を虜にして

Stolen my heart
心さえ奪っていった。

Changed my life
今までの毎日が崩れ去り
世界が一変してしまったんだ。

Everytime you make a move
君の仕草、動作すべてを

You destroy my mind
僕は呆然と見とれて

And the way you touch
不意に、手がふれ合ったときは

I lose control and shiver deep inside
心の奥底に電撃が走ったかのように
我を失い、わななく身体を隠せずにいる。

You take my breath away
虚ろな夜には、君にふれた指先を見つめ
僕は苦しいほど胸を締め付けられる。


You can reduce me to tears
僕が心を痛め、涙がにじみ出るのは、

With a single sigh 
君がため息をひとつ、ついたから。

(Please don't cry anymore)
君が笑顔に戻れるなら、僕に何でもさせて。

Every breath that you take
何気なく、途切れた会話の静けさの中、
聞こえる息づかいも

Any sound that you make
君が頬杖をつく僅かな音や、衣擦れの音も

Is a whisper in my ear
僕の耳に甘く囁きかける。


I could give up all my life for just one kiss
ただ一度だけ、その唇を許してもらえるならば
僕の築いた人生に、終止符を打っても構わない。

I would surely die
生きる意味はないんだ。

If you dismiss me from your love
もし、僕の気持ちが君に拒絶され、
他の誰かに、その愛を捧げるなら、何のための人生だろう。

You take my breath away
張り裂けそうな想いは、言葉にもならない。


So please don't go
だから、どうか何処へも行かないで。

Don't leave me here all by myself
僕をここに一人取り残したまま、どこかへと、
違う道を歩んだとしても、気持ちまで離れて行かないで。

I get ever so lonely from time to time
君がいなくなったら?と、時折考えてしまって
その度に、僕は不安と孤独に脅かされるけれど

I will find you
それが現実になったとしても、僕は君を必ず見つけるよ。

Anywhere you go I'll be right behind you
君がどこにいて、どんな姿になろうとも、僕は必ず傍で君を支える。

Right until the ends of the earth 
この世が終焉を迎える日まで。

I'll get no sleep till I find you 
僕は眠ることなく、君を探し続けるのは

To tell you that you just 
たった一言、告げるため。

Take my breath away
僕は、息が出来ないほど君が好き。


I will find you
たとえ離れても、僕は会いに行くよ

Anywhere you go,ooh
君がいるところなら、何処へでも


Right until the ends of the earth 
最果ての地から、世界の終わりに至るまで

I'll get no sleep till I find you 
君にもう一度出会うまでは、ひと時も休まずに

To tell you when I've found you
そして、この手に君を抱きしめ、伝えたい

I love you
愛している


(Take my breath away...)
僕は胸を衝かれたように…




以上です。


「華麗なるレース」ツアーは、アールズコート1977年が有名です。
6月6日と、6日7日の映像がyoutubeにあります。

▼6月7日のカメラワークが良かったので、両日を組みあわせて、字幕付き動画を作りました。





▼おまけに代わり、よもやま話


1976年ハイドパーク(野外の無料コンサート)で演奏された「テイク・マイ・ブレス・アウェイ」が、2011年にリマスターされて「華麗なるレース」のCD「デラックス・エディション」、日本版では「リミテッド・エディション」に、ボーナストラックの2枚目に収録されています。




まだ「華麗なるレース」が出る前の、ハイドパークは「オペラ座の夜」ツアーです。
その所為か、歌詞がすこし異なります。

20万人の観客の前に、たった一人のピアノソロバラード。

「ハイドパークでやったときはピアノソロだったんだ。
20万人の前で、自分一人で演奏したときは、神経がどうにかなりそうだった。
声が出てこないんじゃないかと思ったよ。」
フレディ談


そう言う割には、騒がしいお客さんに向かって「よく聴いて」と、たしなめているじゃないですかーっ。

客席に一瞥するマジ顔のフレディが、ねこあるきは怖かったですよ。


▼ハイドパークの"You Take My Breath Away"

流れるようなピアノの手を止めて、
"Good listen to listen"「聴くなら、ちゃんと聴きなよ」と、真顔で言います。

たしかに、バラードで騒ぐ観客はいただけないですね。





残念なことに、ボーナストラックのCDにも、ばっちり「Good listen to listen 聴くなら、ちゃんと聴きなよ」が入っています。

私は気が弱いので、CDや動画を観るたびに、怒らないでフレディ、と怯えたり。

ハイドパークがボーナストラックに入ったのは「華麗なるレース」前の演奏、そして原曲に忠実な高音のままだからでしょうか。

▼2011年ボーナストラックの音源。
※YouTubeで削除されておりましたので、再投稿しました。





確かに、素晴らしい。


ここから、ねこあるきの勝手な感想です。

音源なら1977年アールズコート(▼オレンジ色のダイス柄)の方を、ボーナストラックに入れて欲しかった、と個人的に思います。





高い音は低くアレンジしてありますし、
フレディが一瞬、歌詞を度忘れしますが、それは有りです。
CD音源には問題ない程度で。

"Is a whisper in my ear"まで歌ったあと、「あれ?」と、素に戻った顔付きをして、ちょっと考える仕草も、愛嬌があって(怖いのより)全然良いです。
※下記追記をご参照ください。

▼アールズコート1977年6月6日。
1分41秒あたりで、度忘れしているっぽい。



冒頭のMCの和訳。

OK, before we ah, 
さて、先に、えーっと

tease you with a bit of, sort of, 
気を持たせてしまうけど、ほんの少し、ちょっとだけ

heavy rock and roll things towards the end, ah,
激しいロックは最後の方にやるから、えっと

I'd just like to slip in a little a,
一曲入れたいんだけど、良いかな

well I'd like you to listen carefully to a simple little song this is a, 
すごくシンプルで小さな歌だから、大切に聴いて欲しいんだ

me on the piano,
演奏も僕のピアノだけだし

it's called 'You Take My Breath Away'
曲のタイトルは「ユー・テイク・マイ・ブレス・アウェイ」



発音がきれいだから良いけれど。
は…、速すぎて聴き取りが…。

追記:

コメント欄で教えていただきました。
アールズコートでフレディが、歌うのを一拍おいたのは
「歌詞を度忘れ」ではなくて「大きな物音がした」とのことでした。

丁寧にリンクも教えていただきました。
本当に有難うございます。

YouTubeのChinwonder2さんのチャンネルで確認できます。
有難いことにChinwonder2さんは、MCに英字幕を付けていらっしゃいます。
(頑張って聞き取りしないで、最初から頼っていれば良かった…)
ご興味をお持ちの方は、字幕をオンにしてみてください。

ただ、動画が削除される可能性があるので、英字幕ナシになってしまいますが、ダイレクトでも動画を載せておきます。

▼英字幕あり。アールズコート1977年
途中で大きな物音がしたタイミングで、歌うのをとめています。



▼英字幕ナシ。
上記と同じ動画ですが、YouTubeを経由しておりません。




そういえば、アールズコートがVHSで販売されなかったのは、機材の不調の所為でした。
'39では音飛びしていましたが、「オペラ座の夜デラックスエディション」のボーナスEPでは見事に修正されていて驚きました。

ここまで出来るなら、そろそろDVDかブルーレイで販売してくれないでしょうか。(2019年3月現在)










9 件のコメント:

  1. こんちわ!高橋です。Mr.Fairy Fellerの称号を頂いたのは名誉ですが、私はナッツを一撃では割れません!
    本曲では、他訳の「ボクの吐息を奪って」とか訳の分からない和訳で不満だったので、今回のねこあるきさんの訳でスッキリしました、さすがです!
    好き勝手やっていた」Freddieにこんな片思いの酸っぱい気持ちが書けるなんて意外です。今回もオマケありがとうございます、ハイドパークの録音はFreddieファンにはたまらなく良いものです。

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    1. こんばんは。Mr.Fairy Fellerにコメントをいただき、嬉しいです。
      新月の夜まで、まだ時間がありますから、大丈夫!

      ハイドパークは素晴らしい音源です。
      当時、騒いでいたファンを、代わりに叱り飛ばしたい気分です。
      そしてアールズコートがDVD化しないことも、解せぬばかりです。

      「あの」フレディが、こんな切ない曲を書くなんて驚きでした。
      一度のキスさえ出来ないなんて、まさかですよ。

      「ボクの吐息を奪って」とは斬新ですね。その発想は無かったです。
      …が、どういう意味なんでしょう??

      ショー・マスト・ゴー・オンにも、おまけを追加いたしましたよ。
      フレディの直筆歌詞の画像ですが、もしご存知でしたらごめんなさい。

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  2. 大好きな曲です。ありがとうございます。

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    1. Unknownさん、ねこあるきです。コメント有難うございます。
      情熱的で切なくて、私も大好きな曲です。ピアノもまた良いですよね!

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  3. 素晴らしい曲ですよね。。。
    ところで自分は(You) gotta listen to this oneに聞こえましたがどうなんでしょうね、、ちゃんと聞いてよっていう意図は変わらなそうですが笑
    Earls Courtの方は実はライブ中に変な音が入ってしまったのでああいう反応をしたみたいですね。

    ところで録音は悪いですがhyde parkと同じ頃の別のlive録音があって、少しメロディライン違って面白いですよ:
    https://www.youtube.com/watch?v=NOm_fgbTHyM

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    1. Yoshihiro Nakamuraさん。返信が遅くなり、申し訳ございません。
      コメントとリンクを有難うございます。ねこあるきです。

      エジンバラのライブ音源、聴かせていただきました!
      気になったのは、ハイドパークもエジンバラでも高音部分がCDに近いメロディラインなんですね。
      翌年1977年3月シアトルの頃にはもう、アールズコートと同じ低音のメロディラインに変わっています。79年に向けて、高音が出にくくなってきているんでしょうか?(変声期?とは違うのでしょうか)
      79年ではハスキーがかった声になり、それがかえってジャジーな曲調とぴったり合って、ライブ音源のドリーマーズ・ボールがすごく良かったり。
      80年になると、ガラッと変わってしまうのでハスキーだったのは今思えば短い期間だったんだな、と思います。

      すみません、脱線してしまいました。
      アールズコートのライブ中、変な音が入ってしまった、と教えていただいて有難うございます。
      「ちゃんと聞いて」の英語は、あまり聞き取りに自信がないので、参考にさせていただきます<(_ _)>
      色々教えていただいて有難いです。

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  4. こんにちは。素敵で大好きな曲です。記事アップありがとうございます。
    アールズコート1977年で歌詞を度忘れ? とありますが、この音源だと、ちょうどこのタイミングで裏方のほうで大きな音がしたようですよ。
    ご視聴くださいませ。(音質悪し)
    https://www.youtube.com/watch?v=gaqqhRRQR-M&index=17&list=PLHCF7sLluO6E6wZcVh8l65sEcw1hyoBOz

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    1. Yurikaさん。コメント有難うございます。ねこあるきです。
      Nakamuraさんに引き続き、お知らせいただき、有難うございます。

      貼っていただいたリンク先で、確かにそのタイミングで物音が聴こえていますね!
      投稿者のChinwonder2さんは、レアな映像をたくさんアップして下さる貴重な方ですが、そのせいでYouTubeから動画を削除されることが多いと嘆かれていました。私のブログも、動画はYouTube頼みでしたが、どうもリンクだけ貼るのも不安なので何か対策を考えます。
      (再掲載しましたが、前に貼った2011年のハイドパークの音源も削除されてしまいましたし)

      いずれにせよ、何か考えて記事を手直しいたします。リンクを貼っていただいて有難うございました!

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  5. はじめまして、この曲大好きなので、このブログにつながりました。
    yurikaさんも投稿しているとおり、フレディがど忘れしたのではなく
    爆音がして、裏方のローダーの声が入ってフレディは驚いていたのだと
    思います、yurikaさんが案内してるyou tubeを聴いてみてください。


    >>> "Is a whisper in my ear"まで歌ったあと、「あれ?」と、素に戻った顔付きをして、ちょっと考える仕草も、愛嬌があって(怖いのより)全然良いです。

    ど忘れしたのではなく、爆音に驚いただけですから、
    こんな風に書かれたら、天国にいるフレディがかわいそうです。
    フレディの名誉にかかわりますから。
    もちろん、悪意のないことだと思いますが、ちょっと事実とは違うのでは?
    と思って失礼を省みず投稿させていただきました。

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