2015年12月16日水曜日

Breed - Nirvana 和訳

Breed - Nirvana  和訳


ニルヴァーナは、カート・コバーンの才能ゆえ、イメージが非常に掴みやすいですが、歌詞だけを追いかけると、どうしても意味不明な日本語になってしまいます。

英語と日本語では文化が違います。
そして言葉の持つ意味も異なります。
CDについている対訳を読んだときは、ちょっと、あんまりじゃあ、と思ったことがあります。

カート・コバーンは7歳のときに両親が離婚し、それが大きな心の傷になっているようです。

Sliver」という曲が、彼の心境を読むのに分かりやすいです。ちなみに「Sliver」(スリバー)は、「縦に引き裂く」という意味を持ちます。

しかしながら、歌詞に「grandma(おばあちゃん)」と
何度も出てくるので、「Silver」(シルバー)と、ずっと誤読してた過去があります。
思い込みってこわい。

今回、和訳した「Breed」は、カート・コバーンが暖かい家庭にあこがれつつも、手に入れた瞬間、それを失う恐怖がつきまとっている、片や欲している自分もいる。
そんな葛藤がよく現れていると思い、それに沿って訳しました。
まあ、私の勝手な憶測です。


 ▼ブリード。1991年パラマウントのライブです。


Nirvana - breed
「繁殖」

I don't care
いや、気にしないさ。

I don't care
問題ない。

I don't care
別にいいじゃないか。

I don't care
もういいだろ。

I don't care
構やしないよ。

Care if I'm old
このまま年取ったってさ。

I don't mind
何か問題か?

I don't mind
気にしなけりゃいいだろ。

I don't mind
何も考え無くったって

I don't mind
大丈夫だろ。

I don't mind
なんとかなるさ。

Mind, don't have a mind
どうでもいい事さ。

Get away
やめろ

Get away
もう聞きたくない

Get away
逃げ出したいんだ

Get away
もうその話はよしてくれ。

Away, away from your home
お前のいう「家」なんて聞きたくない。

I'm afraid 
怖いんだ。

I'm afraid
怖いよ。

I'm afraid
その話を聞かされるたびに

I'm afraid
俺は恐ろしくなるんだよ。

I'm afraid
本当に、怖いんだ。

Afraid, afraid of a ghost
亡霊みたいに、なにかが俺に、付きまとってくるんだ!

Even if you have
お前がそれを

Even if you need
必要だって

I don't mean to stare
なんで「それ」にこだわるか分からないよ。

We don't have to breed
ああ?なんだって?『子どもを作って』?

We could plant a house
『家を「植えて」』って?

We could build a tree
『木なんか「建て」よう』だって?

I don't even care
『大丈夫よ、愛するカート。

We could have all three
かわいい子どもに暖かいおうち、
広いお庭には木が繁って、私たちは微笑みながら
みんなで楽しく暮すの。
私とあなただったら、それらを叶えられるわ』

She said
彼女がそう言ったんだ。

She said
笑えるだろ?

She said
何言ってんだって。

She said
俺にそうしろと?

She said
俺が?家庭を持つって?

She said
彼女が、

She said
彼女が俺に、

She said
そう言ったんだ!


I don't care
いや、ありえないね。

I don't care
何が問題かい?

I don't care
どうでも良いって。

I don't care
そんな先のことをさ。

I don't care
もうよせよ。

Care if I'm old
このまま老いぼれたって、いいじゃないか。

I don't mind
俺はね、

I don't mind
今さえ良けりゃ

I don't mind
それで良いんだ。

I don't mind
いい加減にしなよ。

I don't mind
俺は気にしないって

Mind, I don't have a mind
考えたくないって言ってんだろ。

Get away
やめろ

Get away
頼む、やめてくれ

Get away
その話をするのは。

Get away
頭が拒絶するんだ。

Away, away from your home
お前の理想なんかについて行けやしない。
何も俺に求めないでくれ。

I'm afraid
怖いんだよ。お前の話しを聞くと、

I'm afraid 
どうしようもなく怖くなるんだ。

I'm afraid 
助けてくれ、もう傷つくのはごめんだ。

I'm afraid 
古傷をえぐられるようだ。治しようが無い。

Afraid, afraid of a ghost
忌々しい亡霊のように、俺は恐怖に付きまとわれて
離れようったって、逃げ出せない。
怖いんだよ!

Even if you have
『ねえ、カート。もしも、よ?』

Even if you need
『あなたが望むのなら』

I don't mean to stare
『ほら、深く考えないで。雑談だと思って聞いて?』

We don't have to breed
『私たちのこどもを作るのよ。』

We can plant a house
家を、家を植えて?

We can build a tree
木なんか、建てるって?なんか悪い冗談だな。

I don't even care
『カート。私たちは木陰から、お庭ではしゃぐ子どもを、
寄り添いながら見守るの。

We could have all three
きっと素敵よ。ねぇ、私たちならそれが出来るのよ』

She said 
馬鹿言え!

She said
無理に決まってんだろ!

She said
彼女が、彼女がそういったんだ!

She said
俺にそうしろって!

She said
俺にそれが出来るって、

She said
彼女が言ったんだ!

She said
確かに言った!

She said
彼女が俺に言ったんだ!


Even if you have
ああ、もし望むなら

Even if you need
もし必要だって言うんなら。

I don't mean to stare
でも、なんでそんなにこだわるんだ?
意味不明だ。気にしなきゃいいだろ。

We don't have to breed
子どもを作って

We can plant a house
夢みたいな家を植えて

We can build a tree
大きなツリーハウスが出来る木なんか建てよう。
ブランコまでついてくるのさ。ハハハ、そりゃすごいね。

I don't even care
『怖がらないで。私と一緒に幸せな家庭を築きましょう。

We could have all three
私たちだったら、きっと末永く至福の時を過ごしていけるのよ』

She said
いい加減にしろよ!

She said 
お前は知らないんだ。

She said 
ある日それが突然壊れたとしたら?

She said 
永遠に続く幸せ、なんてふざけるな!

She said 
でも、今度は俺が

She said 
その幸せな家庭を作れるって

She said 
正気なのか?

She said 
俺には出来るって、彼女が言ったんだ!

She said 
彼女が、俺にはできるって。

.. good!
考えもしなかったよ。
良いね。


以上です。

フォロワー様限定で、和訳付き動画です。




とか言いながら、結局カート・コバーンは27歳で自殺します。まだ幼い長女、フランシスを残して。

カート・コバーンの死は、自殺・他殺、両面の疑いをもたれてはいますが、いずれ薬物中毒で何度も自殺未遂を繰り返しています。
彼の遺書のとおり、彼は繊細すぎたのでしょう。

余談として、「ライブ・アット・レディング」でカートは直前まで精神病院に入院しており、ベースで友達のクリスでさえ、このライブは失敗するんじゃないかと前夜まで思っていたほど、カートの体調は悪かったようです。

ステージには車椅子と入院患者の服で登場します。
よろよろとマイクスタンドへと立ち上がり、27歳で薬物中毒で亡くなった歌手「ジャニス・ジョップリン」の人生をまとめた映画「ローズ」のテーマ曲の冒頭
「someone say love, it is a river」
と、ろれつの回らない声で歌ったきり、バターン!とぶっ倒れます。

そこから、この激しい「breed」へ突入し、ギャップがすごいです。
彼らしい演出ですが、皮肉にもカートも27歳で亡くなります。

▼おまけで、ライブ・アット・レディングのフルバージョン。冒頭が上記の演出です。











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4 件のコメント:

  1. 和訳つき動画を見ました。
    やっぱりニルヴァーナはすごい迫力ですね。
    日本語字幕があるとイメージがそのまま日本語で頭に伝わるので
    とても入り込みやすいです。
    正直なところ、ニルヴァーナのファンでも何でもなくて、
    このサイトで初めて知ったようなものですが、
    ここで知ってよかったと思います。
    ねこあるきさんの訳を見て、動画を見るとこの曲の良さが改めてわかります。

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    返信
    1. はなおのぺらさん。こんにちは、ねこあるきです。
      コメントありがとうございます。

      たしかにクイーンとニルヴァーナは全然方向性は異なりますが、お気に召していただけて、またニルヴァーナの魅力を少しでもお伝えできることにお役立て出来たなら、ねこあるきはとても嬉しく思います。

      実は、ブリードはテンポが速いので、字幕のタイミングに苦労しました。

      削除
  2. とても良い和訳なので感嘆しました。
    本当にありがとうございます。

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  3. 私ずっとこの曲をDNAをいじったりする最新遺伝子科学へのアイロニーとして聞いてました。something in the wayでベジタリアンが命の線引きしてること言ってましたし、この曲もそういう感じで聞いてました。
    自分で直訳したらそう思ったんですよね。私たちはもう繁殖行為をしなくていい。1,私たちは家を植えてから、2,木を建てることができる。3,(道徳心、人権、生命操作のモラル)なんて気にしない。この3つで永遠に繁栄できる
    ただ、この曲ができたときに遺伝子操作ができてたか、クローン人間の可能性が問題になってたかはよくわからないです。
    ただ自分はそういう感じで20年くらい聞いてて、全く違う意味で聞いてる人がこうやっているのが単純に面白いです

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