Streets Of Bakersfield - Dwight Yoakam 和訳
ドワイト・ヨアカムの「ストリート・オブ・ベーカーズフィールド」
カントリー音楽の大御所、バック・オウエンズと、ドワイトとのデュエット曲です。
とはいえ、作詞・作曲はホーマー・ジョイという人です。
アメリカのカントリー音楽は、テネシー州ナッシュビルを中心とする「ナッシュビル・サウンド」、対抗するように、カリフォルニア州ベーカーズフィールドを拠点に、バック・オウエンズが中心となった「ベーカーズフィールド・サウンド」があります。
ベーカーズフィールド・サウンドは、エレキギターをメインに、ビートを効かせたものが特徴だそうです。
作曲者のホーマー・ジョイは、何度も自分自身をバックに売り込みに来ましたが、なかなか時間を作ってもらえず、ホテルでこの曲を書きあげました。
そしていつも通り、売り込みに行ったとき、この曲を演奏し、スタジオプロデューサーの目に留まり、やがてバックに知られることに。
1972年は、ホーマーひとりで歌うバージョンが、その後、1973年バックによるカバーが出ましたが、ヒットにならず。
1988年8月2日、ドワイト・ヨアカムがバック・オウエンズとのデュエットでカバーを出して、ヒット曲になりました。
今回、和訳したのが↑このデュエットのやつです。
▼ドワイトとバックの「ストリート・オブ・ベーカーズフィールド」
ドワイトの流れ者っぽいクールさと、バックの安定感が絶妙ですね。ノーカット版のPVを探してきました。
"Streets Of Bakersfield" 和訳
I came here looking for something
何か見つかる気がして、俺はこの街に流れてきた。
I couldn't find anywhere else
他んトコじゃあ、探しあぐねちまって。
Hey, I'm not trying to be nobody
いいかい、俺は十人並みで満足するつもりは無えんだ。
I just want a chance to be myself
他でもない、俺にしか出来ないことを叶えるのさ。
I've spent a thousand miles of thumbin'
あっちこっち、ヒッチハイクしながら
1000マイルもかけて辿り着いた。
Yes I've worn blisters on my heels
そうさ、靴擦れのマメができちゃあ、潰しちまって、
お陰でかかとは、皮が厚くてカッチコチ。
Trying to find me something better
うまく行く何かを見つけてやろうや。
Here on the streets of Bakersfield
このベーカーズフィールドの街で。
Hey you don't know me, but you don't like me
なあ、お前は俺のことを知らねえのに、
お前は俺を好いて無えんだな。
You say you care less how I feel
俺がどんな想いをしていようと、
お前は俺のことなんか、眼中に無いって言う。
But how many of you that sit and judge me
だけど、これっぱかりも座って俺を見定めてねえだろ。
Have ever walked the streets of Bakersfield?
ベーカーズフィールド街の、どこ見て歩って来たんだよ?
Spent sometime in San Francisco
ここに来る前に、サン・フランシスコにしばらく居たことがあってだな。
I spent a night there in the can
まあ、夜は決まってブタ箱で寝てたけど。
They threw this drunk man in my jail cell
ある時、ポリ公が酔っ払いの男を、俺の独房へ放り込んだ。
I took fifteen dollars from that man
俺は泥酔してるそいつから15ドル頂いた。
Left him my watch and my old house key
その代わり、俺の持っていた時計と、俺の古い家の鍵をくれてやったのさ。
Don't want folks thinkin' that I'd steal
俺が盗みを働いた、だなんて人聞きの悪い事、言われたかぁねえな。
Then I thanked him as I was leaving
で、俺は独房を出たとき、大いびきのそいつに礼を言ったよ。
And I headed out for Bakersfield
それから俺は、振り返ることなく
ベーカーズフィールドへ向けて出発したんだ。
Hey you don't know me, but you don't like me
お前は俺を知らねえくせに、勝手に俺が嫌いだと決めつけるなよ。
You say you care less how I feel
こっちの事情なんざお構いナシ、とまで言いのけて。
But how many of you that sit and judge me
だけど、ちったぁ足を止めて、時間作ってだな、俺がどんな奴か見定めてくれ。
Ever walked the streets of Bakersfield?
ベーカーズフィールドの街を、よく分かってるんなら。
Hey you don't know me, but you don't like me
ま、聴けよ。
俺を良く知りもしないで、そう邪険にするなって。
You say you care less how I feel
俺がどんな想いでここまで来たかを
「どうでも良い」とまあ、バッサリ言うね。
But how many of you that sit and judge me
でも、少しは俺の前に座って、俺の歌を聴いてから決めてくれないか。
Ever walked the streets of Bakersfield?
この街は初めてってワケじゃないんだろ。
How many of you that sit and judge me
少しは座って、俺を見ねえと何も分かんねえだろ。
Ever walked the streets of Bakersfield?
俺みたいな奴ぁ、このベーカーズフィールド街でも、そうはいないぜ。
Thank you for your request, Mr.H.
以上です。
全然関係ないですが、カリフォルニア州ベーカーズフィールド市は、日本の和歌山市と1961年7月14日、姉妹都市になっています。
(この曲が出来る前ずっとから、姉妹都市なんですね。)
カントリー音楽が好きだけど、ベーカーズフィールド市まで中々行けない方は、和歌山市に行くと良い、という訳にはいかない、かな…?
おまけ
▼バック・オウエンズのソロによる「ストリート・オブ・ベーカーズフィールド」
▼せっかくなので、ホーマー・ジョイ版。(オリジナルの方です。)
バック・オウエンズ、ドワイト・ヨアカム含めて、この曲は6人のアーティストに、現在に至るまでカバーされています。
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リクエストに答えていただいてありがとうございます。
返信削除若手カントリー歌手が聖地ベイカーズフィールドで成り上がるために
ガツガツと売り込んでいくという感じなんですね。
訳の言葉遣いがすごくリアルで若手歌手のやる気とか自信とか
よく伝わってきます。
PVを見るとなんとなくベイカーズフィールドに行ってみたくなるから不思議です。
オリジナル版やバック・オウエンズ版がもともとのベイカーズフィールド風の
カントリー音楽なんですね。
ドワイト・ヨアカム版の方が華やかで聞きやすいですが、
バック・オウエンズ版も味わい深くていい感じです。
ところで、ナッシュビル・サウンドとはどのような感じなんでしょう?
はなおのぺらさん、遅くなりごめんなさい。
削除1000マイルかけて、ベーカーズフィールドならぬ、ようやっとブログにたどり着いたねこあるきです。
ドワイトは、ロック+ヒルビリー=ロカビリーの影響を受けていて、腰つきが特にプレスリーを思い出させます。ドワイトからはロックを感じられますが、バックはがっちりカントリーですね。
あまり音楽に詳しくないので、下手なことは申し上げられないのですが、音楽の聖地とも言われるナッシュビルの、ナッシュビル・サウンドは、どちらかというときれいめ、BGM向きだと解釈される人もいます。
一方、ベーカーズフィールド・サウンドは、労働者向けの骨太な感じ、だと言われています。
youtubeで見たのですが、ドワイトとバックが、この曲をナッシュビルの音楽大賞で受賞したとき(!)に二人で歌いました。
ドワイトのパートが終わり、バックが歌いだすと、観客からはどよめきのような声援が響き渡りました。
売れたのはドワイトですが、やはりバックの風格は所選ばず、と思い知りましたよ。